韓国の新型コロナウイルス感染者数が4,812人に増加した(3月3日時点)。ここ2週間で激増した原因と、危機的状況にあるウォン安について解説したい。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2020年3月1日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
韓国で感染者「急増」へ
今回の韓国経済メルマガは予定どおり、中国の武漢を感染源としている新型コロナウイルス「武漢肺炎」の影響を特集していく。
ただ、予定とはまったく異なる展開を見せているので、原稿を2度、書き直すことになった。それは、韓国で感染者が急増していることだ。
以下の数字の推移がいったい何なのか、おわかりいただけるだろうか。
31 → 82 → 104 → 156 → 204 → 346 → 437 → 556 → 605 → 763 → 833 → 893 → 977→ 1,146 → 1,261 → 1,595 → 1,766 → 2,022 → 2,931 → 3,150 → 3,526 → 3,736
ここ2週間での、韓国で発表された新型コロナウイルス感染者数である。
そして3月3日の最新情報によると、なんと4,812人となっている。はっきり言って、異常に増えすぎである。
1週間に30倍、1,000人超えてからは1日500人ペースで感染者が爆発しており、まもなく5,000人を突破する勢いだ。
いったい韓国で何が起きているのか。それを今回は解説したい。さらにもう1つ、この2週間はウォンが一気に売られたので、この状況についても触れていく。
では、まずは新型コロナウイルスが韓国で31人からおよそ100倍以上に増えた理由から見ていこう。
宗教団体「新天地大邱教会」信者による集団感染~大邱・(慶尚北道)清道地域
韓国で感染者が急増した理由は、大邱・(慶尚北道)清道地域での宗教団体「新天地大邱教会」の信者による集団感染が原因である。
どうやら1,000人ほどを集めて何らかの宗教儀礼を行っていたようだが、その中にスーパースプレッダー(コロナ19号と31号)が存在していて、感染が急拡大したという。
しかも当初は、この宗教儀礼に参加した1,000人のうち400人ほどが行方不明となっていた。そして、この宗教団体から続々と感染者が増えていき、気が付くと605人まで増加した。加えて、さらに1,000人以上に感染の疑いがあるという。
私はこの怪しげな宗教団体がどういうものなのかにはまったく興味がないが、どうやら在韓米軍の中にも、この「新天地」の信者がいたようである。
そして事態を重く見た在韓米軍は、在韓米軍基地を閉鎖した。それでもすでに、韓国軍の中にも感染者が出てきている状況だ。
しかも、イラン・イタリアなどの世界的に流行が急増したことで、韓国からの入国禁止措置を取る国も一気に増えた、なんと78カ国・地域から入国制限を受けた。
その中には米国も含まれており、日本も率先して入国禁止措置を取るべきだろう。