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まもなく日本の貧困層は1000万人超え。なぜマズい結末が見えているのに止められない?=鈴木傾城

問題が分かっていても、止められないのが現実だ

数年のうちに1,000万人を超えるアンダークラスの存在は、今の絶望的な格差と社会不安をより深刻化させていく。

彼らが増えれば増えるほど、社会の底辺はより荒廃する。そして、社会のどん底で困窮していく彼らの存在は、やがては大きな社会不安となって日本社会を覆い尽くすことになる。

しかし、注意しなければならないことがある。2020年以後の日本では、社会の底辺から大きな社会不安が起きるというのは確実に予測できることであるにも関わらず、それは「避けることができない未来」であるということだ。

予測できているから避けられるというわけではない。むしろ、予測できていても為す術もなく巻き込まれていく。

たとえば、全世界で広がったグローバル化を考えて見ても分かる。

グローバル化は先進国の労働者から仕事を奪い、やがては労働者の賃金を低下させたり失業問題を引き起こしたりして貧困を生み出すことになったのだが、それはまったく予測できなかったことなのか。

いや、そうなると最初から予測されていた。しかし、誰も止められなかったから今の惨状がある。

予測できていたのに避けられなかったという例で言えば、たとえば日本の超少子高齢化も、日本社会に大きな悪影響を及ぼすことになると20年以上も前から分かっていた。

少子高齢化のワナに陥ると社会保障費が増大して政府が莫大な借金を抱えることになるというのも分かっていた。

しかし、日本人はこの問題に対して先送りと事なかれで対処して、今も何ら解決策を見出していない。

「結末」は分かっていても「過程」が分からない

日本の総人口は2018年10月1日の段階で1億2,644万人だった。

65歳以上の人口は3,558万人となり、総人口に占める割合は28.1%となった。あと数年で日本は3人に1人が65歳以上の超高齢者国家と化す。すでに2020年の今、日本女性は2人に1人は50歳以上である。

こうした少子高齢化が続くと、どうなるのか。

地方が壊死し、大学が倒産ドミノに巻き込まれ、認知症患者が700万人を突破し、介護離職が大量発生し、税金がますます上がって生活が苦しくなる。

やがては東京都も人口減少に入り、優秀な人材が確保できなくなり、経済大国の地位が維持できなくなる。

それは予測されている。

しかし、見ての通りだ。日本の政治家はこの亡国に至る道を止めることができていないし、国民もまるで他人事のように問題を見ている。問題が分かっていれば止められない。

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