遠くない「第二のギリシャ」
民間債務残高(企業+家計)は、2019年で197.6%である。
民間債務残高が限界を超えれば、国家財政で面倒を見ざるを得なくなるのだ。企業活性化に消極的ゆえに、国家財政にそのしわ寄せが行くのは不可避であろう。ここに、「第二のギリシャ」の途が見えるのだ。
こうして、韓国財政は急坂を転げ落ちるように、財政赤字を膨らませる運命である。
本来ならば、政府の企業活性化策によって企業を自律させることが最善の策である。文政権の「反企業主義」「反市場主義」は、企業自律の機会を奪ったままである。企業が苦しむ姿を見て、労組や市民団体はともに、「してやったり」と快哉を叫びたい気持ちであろう。企業は、労働者の利益を収奪している。そういうマルクス思想から、一歩も出ていないのだ。
韓国の悲劇は、その教条主義にある。「反日主義」は、「反企業主義」などと同一に扱われている。この状態では、事態は一向に改善されずに、悪化の一途を辿るであろう。
韓国経済が、現状のまま過去に固執するならば、「第二のギリシャ」は避けられないと見る。儒教文化がもたらす、過去への憧憬の念が生む落し穴である。
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※太字はMONEY VOICE編集部による
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勝又壽良の経済時評
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経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。