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クルーグマンと安倍首相の議事録『Meeting with Japanese officials』を読む=吉田繁治

【結論】財政出動に向かう日本の懸念点~2018-2020年危機へ

こうしたことから、以下のように判断します。内閣の発足前から、アメリカから言われたことは、安倍政権は実行してきたからです。

直接には、浜田宏一氏がつなぎ役を果たして呼んだ、スティグリッツとクルーグマンは米国政府の代理だったのでしょう。
(注)スティグリッツやクルーグマン氏は世界の政府から、頻繁に招へいを受けています

  1. 2017年4月の消費税増税は、ほぼ完全に消えた
  2. 政府は、7月の参議院選所前に、財務省の反対で少ない場合は5兆円、多い場合は10兆円の補正予算を組み、財政出動に乗り出す

中身は、土木・建設、子育て支援、待機児童解消の保育園建設、商品券、旅行券でしょうか。いずれも、財政赤字と新規国債発行を増やす「バラマキ」です。補正予算の対象は、構造的になる年金や医療費予算の増加ではない。

安倍内閣は参議院選挙で、憲法改正(中心は9条)に必要な2/3を得るために、経済と株価を道具にします。

しかしインフレ目標の達成には1年では足りません。最低でも3年必要です。3年の拡張財政をどう正当化するか、です。1年の打ち上げ花火で終わるかもしれません。

日銀の異次元緩和と同様、財政出動も、「いつかは終わらねばならない」ため、終わるべき時に、問題を生みます。

こうした曲折を経て、2018年ころの財政破産(=金利上昇)に向かっていくのでしょう(最高に遅い場合2020年か)。2015年と見ていいましたが、日銀の異次元緩和で、3年くらい先に延びた感じです。

【関連】日本財政の臨界点。我が国のバランスシートが示す「2020年危機」=吉田繁治

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ビジネス知識源:経営の成功原理と実践原則』(2015年3月31日号)より一部抜粋、再構成
※記事タイトル、太字はMONEY VOICE編集部による

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