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『あの日』を読んで感じた小保方晴子さんの「無実」=吉田繁治

緑色に光ってOct3/4ができたように見えたが…

小保方さんが、STAP細胞様のものを、1人での実験で作っていたとき、「(他の人ができない)ちょっとしたコツがある」と言っていました。

しかし検証チームによる同じ条件での実験では、初期化され多能性を獲得した予想できるOct3/4をもつ細胞の発生頻度は、一桁低いものとされています。つまりごくごくわずかしかできなかった(検証の結論)。

監視された実験で小保方さん自身が行っても、10の6乗の細胞塊(100万個)のうち、わずか10個程度だったという。Nature論文では数百個の発生とされていたので、その数十分の1だったと報告されています。

ところが、その緑色に光った細胞も、そのほとんどが、赤の蛍光色にも染まるため、死滅した細胞の自家発光だったと結論づけられたのです。以下の、検証チームの記述がこれを示すものです。

緑色蛍光陽性細胞の出現が十分には得られなかった状況下において、再現性をもってGFP 陽性を自家蛍光と区別し、多能性細胞特異的分子マーカーの発現と対応づけることは出来なかった。

出典:STAP現象の検証結果 – 理化学研究所(2014年12月)[PDF]

わかりやすく言えば、「小保方さんの、Nature論文の書かれたプロトコル(手順)での検証では、STAP細胞と認めることができるものを、Nature論文のようには作ることができなかった」ということです。

自分も参加していますから、理研の検証チームが出したこの結論を、小保方さんは知っているはずです。

ところが新しい本にも、STAP細胞は作ったと書いている小保方さん

その上で、2016年の1月末に出された新しい本に、「培養後に、多能性マーカーで陽性であることを確認して、STAP細胞が作成できたことを確認していました。(『あの日』より引用)」というようにあっさりと書かれています。本には、死滅した細胞への言及はないのです。

ことここに至り、考えられるのは以下の3つです(推理)。

(1)検証で行った手順とは違う「(検証チームのベテラン科学者もできない)ちょっとしたコツ」を加えた方法で、作っていた。

(2)死滅する細胞も発する緑色の自家蛍光を、全部、Oct3/4遺伝子をもつSTAP細胞と誤認していた。

(3)1人で行っていたときは、ES細胞を使って、捏造(ねつぞう)していた。

(1)は可能性が薄い。自らも検証チームに参加し実験したのですから…。そうすると考えられるのは、(2)の知識不足か、(3)毎日新聞の須田桃子記者が言った捏造です。

論文を取り下げた後の、理研が立ち上げた検証チーム(相澤リーダー)では、小保方さんが行った実験で数えただけでも45回のうち、40回は、緑色の蛍光色の発色はあったという。ただしそれは、ほとんどが、死滅した細胞でした(相澤氏の記者会見)。

本当に捏造の意図をもって行っていたのなら、今回のような、弁明の本を書くことは、難しいかもしれません。可能性は、(2)の知識不足に思えます。

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