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『あの日』を読んで感じた小保方晴子さんの「無実」=吉田繁治

小保方さんが、ES細胞を混入させた犯人とほのめかす説を論理的に検討する

調査委員会は、誰がES細胞を混入させたか分からないとしています。ほのめかしの対象は、もちろん小保方さんです。

小保方さんが、自分が作ったものがSTAP細胞と思っているなら、ES細胞とすり替えることはしません。

ただし何回若山教授に渡しても、キメラマウスができず、ある日、論文の締切や別の何か(周囲の期待など)に追われて、ES細胞を混入させた可能性も考えられます。次は、この可能性を考えてみます。

【失敗続きだったキメラマウスが、初めてできたとき】

若山教授は、STAP細胞様のものでからのキメラマウス作りに、失敗を重ねていました。ある日ふと思いついて、「ES細胞のようには細胞塊をバラバラにはせず、ナイフで切り刻み、切片にして移植したとき、はじめて、キメラマウスができた。」と言っています。

小保方さんから、もともとES細胞を渡されていたのなら、ナイフで切り刻まないときに、キメラマウスができていたはずです。

ES細胞なら、ほぼ100%、世界の第1人者の腕で、キメラマウスができるからです。若山教授は、ES細胞でキメラマウスを作る方法で、STAP細胞様のものを試していたからです。

【小保方さん犯人説は無理】

「STAP細胞様のもの」を作って若山教授に渡していた小保方さんが、ある日、ES細胞を混入させて渡したとすれば、以下が成立していなければなりません。

(1)直前まで、小保方さんは若山教授にSTAP細胞様のものを渡し続けていた。このためキメラマウスができなかった。

(2)小保方さんは、若山教授が「切り刻むことを、ふと思いつく日」を予想した上で、保管していたES細胞を混入させた。

(3)そして若山教授は、このときはじめて、本当は必要がなかった切り刻みを行って、マウス細胞に移植した。

この(1)(2)(3)が同時に成り立つでしょうか。確率的にあり得ないことでしょう。

小保方さんが、若山教授の頭の中を常時把握していないと、「ふと、思いつく日や時間」を予想することはできません。

ES細胞を混入させた細胞を小保方さんから受け取った、まさに最初のとき、若山教授は「切り刻むことを思いついて実行せねばならない」からです。これは、偶然の一致としても、その確率がとても低いでしょう。

ES細胞を混入した犯人は、若山教授の実験を常に監視でき、「次回は、若山教授は方法を変えて細胞塊を切り刻む」ことをあらかじめ知っていた人物でしかありえない。

結論:混入犯は小保方さんではない可能性が高い

ES細胞を混入させたのは、小保方さんだという見方が多い中、小保方さんが犯人である可能性は、とても低いことになるのです。

同時に、ES細胞を、小保方さん以外の誰かが意図的に混入させたという説も成り立ちにくい。その誰かは,若山教授が実験に向かうときの頭の中を常時知っていなければならないからです。若山教授自体が、行うはずはないでしょう。

とすれば、何かが分からない偶然で、しかもどこからから、ES細胞が混入したと見る他はない。ES細胞の混入は事実だろうからです。

本を読みつつ、改めて全体を考え、小保方さん犯人説は、若山教授の言葉(切り刻むという思いつき)を信用する限り、ありえないと思えます。

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