すでに憲法解釈を歪めていた
安倍政権はこの7年半の間に、国民の自由ではなく、政権の権限を強化するための憲法改正を進めようとしてきました。
表向きは「米国からの押し付け憲法ではなく、自らが制定する憲法を目指す」としていますが、本質は「為政者の権限強化」で、そのための憲法9条改正や改憲発議をしやすいように修正を考えています。
それが容易でないとなると、憲法の解釈を政権の裁量で変え、さらに安保関連法案を通じて、反政府的な動きをする向きには監視を強め、言論の自由を奪う方向で「運用」してきました。憲法改正にたどり着けなければ、その解釈、運用で政権の力を強化しようとしてきました。
これは憲法の本来の趣旨と真っ向から対立するものです。
政治の私物化放題
安倍政権が政治を私物化していることは、もはや広く国民が感じるところとなりました。
政権に都合の良い憲法にすることを離れても、最近の例だけでも「桜を見る会」に地元支援者優先の飲食にカネを使い、「もり・かけ」など、自分に近い人物に利益を優先的に配分し、その見返りをキックバックや献金で回収するやり方を続けてきました。
大学入試の業者選定でもこの手法を使いました。
コロナ支援策と称し、各種給付金の支給に当たっても、関係省庁や自治体がITを活用して行うのではなく、電通やリクルートなどに何百億円もの業務委託費を払って仕事を回し、さらに彼らは再委託、再々委託で手数料の中抜きをする事態が報じられ、国民の批判を浴びています。
米国では3月に決めた1人1,200ドルの給付金が4月には支払われましたが、日本ではまだ一部しか受け取っていません。
困っている国民のことよりも、親しい業者に仕事を回すことを優先し、自らを利する政治姿勢が明らかになり、支持率が大きく低下すると、これに危機感を覚え、解散・総選挙で仕切り直しをしようとしたわけです。