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経済最悪・株価割高の今こそ「バフェットのように買い、ソロスのように売れ」=栫井駿介

「市場は常に正しい」「市場は常に間違っている」どっちが正解?

しかし、目先の動きに簡単に惑わされるのも相場の特徴です。

相場を動かしているのは人間です。最近は自動売買も増えてきましたが、そのプログラムを作っているのも人間です。人間である以上、心理的な動揺から逃れることはできません。

ここからさらに感染拡大が続いたら、金融緩和政策を縮小させることになったら、人々の心理はどうなるでしょう。株価が少しでも下がり始めると、警戒感を強めている投資家は売却を急ぐことになります。

その結果、売りが売りを呼ぶことになって、市場は再び暴落することが想定されます。これこそが、株式市場における「第二波」なのです。それをもたらすのは、ウイルスそのものではなく人々の心理です。

パニックに陥ったときの人々の心理は、大抵の場合行き過ぎます。不安になるほど、故事よろしく「空が落ちてくるんじゃないか」というほどの杞憂が頭に次々に浮かぶのです。

「イングランド銀行を潰した男」として有名な投資家ジョージ・ソロスは「市場は常に間違っている」と上記とは反対のことを述べます。彼はそこに勝機を見出し、莫大な利益をあげました。

【関連】「イングランド銀行を潰した」伝説の投機家ソロスに学ぶバリュー投資の心=栫井駿介

現在の市場が正しいのか間違っているのか、答えが出るのは数年先ですが、少なくともソロスの考え方は知っておくと相場のことをより深く理解することができます。

バフェットのように買い、ソロスのように売る

私はソロスのような一点集中の投資(投機)は行いませんが、バフェット流の長期投資でも参考になる部分が少なくありません。

バフェットの手法は、企業の価値を見積もり、それよりも安い価格で投資する「バリュー株投資」です。この考えからすると、株価はやがて企業の価値に「収束」していきます。

一方で、ソロスの哲学である「再帰性」「可謬性」にしたがうと、株価は常に企業の価値を挟んで行ったり来たりすることになります。(詳細は上の記事をお読みください。)

両者の概念を図であらわすと、以下のようになります。

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もっとも、想定期間は異なり、バフェット>ソロスになります。また、そもそも正しい1つの「価値」が存在するわけではありませんから、その意味ではこんなにきれいに描けるものではないかもしれません。

しかしながら、両者に共通しているのは、株価は一時的にしろ「価値」に戻ってくるということです。それが上に行こうと、下に行こうと同じことです。だとするならば、最大の投資チャンスは、株価が価値から大幅に乖離した時ということになります。

そのポイントとして、バフェットは株価下落時の「買い」、ソロスはバブルピーク時の「空売り」を選択したのにすぎません。片やどっしり構える「投資家」、片やバブルの崩壊を目論む「投機家」と言われますが、根本にある考え方は同じなのです。

Next: もっとも、ソロスのような一点集中、相場の動きに賭ける投機は相当なリス――

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