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クオールHD Research Memo(5):2020年3月期業績は増収増益を達成、会社計画比ですべての利益が超過

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■業績の動向

1. 2020年3月期の業績概要
クオールホールディングス<3034>の2020年3月期の業績は、売上高で前期比14.2%増の165,411百万円、営業利益で同9.7%増の7,733百万円、経常利益で同11.3%増の8,024百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.1%増の4,067百万円と増収増益となり、各利益に関しては2019年10月に修正した会社計画に対してすべて上回って着地した。売上高に関しては新型コロナウイルスの影響で3月の処方箋応需枚数が落ち込んだ影響で若干未達となったものの、この影響がなければ計画を上回っていたものと見られる。

また、2020年3月期はM&A関連費用等による約4億円の一時的な費用が発生し営業利益の押し下げ要因となったほか、前期に特別利益として投資有価証券売却益を366百万円計上していた反動で、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は1ケタ台にとどまったが、これら要因が無ければ当期純利益についても2ケタ増益だったことになる。なお、EBITDAについては前期比10.6%増の12,353百万円とキャッシュベースの収益力についても順調に拡大している。

保険薬局事業では、期末にかけて新型コロナウイルスの影響を受けたものの、M&A等による積極的な出店に加えて、GE加算率の推進等による処方箋単価の上昇により、売上高で前期比14.2%増の153,185百万円、経営管理料控除前のセグメント利益で同20.2%増の8,263百万円となった。一方、医療関連事業ではCMR派遣を中心にBPO事業が好調に推移したほか、下期から藤永製薬が連結対象に加わったことで、売上高は前期比14.7%増の12,226百万円となった。経営管理料控除前のセグメント利益は同3.8%増の1,447百万円と小幅な増益にとどまったが、これは藤永製薬のM&A費用等の計上が影響しているものと見られる。藤永製薬に関しては売上高で10億円弱程度の増収要因になったと見られ、営業利益に関してはのれん償却額も含めると軽微であった。なお、のれん償却額については保険薬局事業で前期比513百万円増加の2,730百万円、医療関連事業で同59百万円増加の240百万円となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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