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橋本総業HD Research Memo(5):持株会社化で収益改善が加速

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■業績動向

1. 過去の業績推移
水道用材料でスタートした橋本総業ホールディングス<7570>は、その後管材類全般から住宅設備機器類などへと取扱商材を拡大、それに伴い取引メーカー数を増やし、1980年代以降は全国展開を目指すエリア戦略を背景にシェアアップ、足元ではおおむね全国をカバーする管工機材・住宅設備機器卸へと成長した。近年はM&Aを積極化することでグループを拡大させており、このため同社は2016年4月に持株会社体制に移行した。狙いは、大きく拡大した業容やグループ会社間のシナジーを共同営業や共同仕入、共同配送などによって発揮すること、西日本の深耕や管材・電材・建材の一体化、インターネット取引など新たな事業への取り組み強化などである。ここ数年、収益性の改善に加速が付いているが、競争が起こりにくい低単価品やトレンド商品の在庫などを積み増すなど、在庫リスクを取れるようになったことが要因と考えられる。これは、子会社間のシナジーなど同社の狙いどおりと理解ができるため、持株会社体制への移行の決断は高く評価できる。


中期の取り組みに向けた「10の基本方針」

2.「10の基本方針」
同社は、中期の取り組みへ向け、2020年3月期に「10の基本方針」を策定している。具体的には、1)早い、安い、確実の追求で顧客満足度を向上、2)営業活動のルーティンを実行して予算必達、3)トータル化、コラボ化、新規の推進により増分10%の成長追求、4)しくみ作り、人作り、しかけ作りにより生産性10%アップ、5)みらい活動により10%拡大、6)7つのみらい商材による増分10%、7)働き甲斐改革、ESG活動、健康企業への制度対応、8)事前、当日、事後のフル機能強化、9)座学(橋本学校)とネットの研修を通じた人材育成、10)コンプライアンスの遵守などリスク対応である。なかでも注力しているのが、1)早い、安い、確実を追求し顧客満足度向上を図る、3)取引先とともに新規増分による成長への取り組み、4)しくみ作り、人作り、しかけ作りによって働き甲斐改革(生産性向上)を進める、の3つとなっている。


2020年3月期は在庫戦略が奏功し、増収・2ケタ増益

3. 2020年3月期の業績動向
2020年3月期の業績は、売上高137,815百万円(前期比3.7%増)、営業利益2,919百万円(同17.6%増)、経常利益3,185百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,117百万円(同17.4%増)となった。期初見通しに対しては、売上高で815百万円、営業利益で169百万円、経常利益で185百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で117百万円の超過達成となった。

建設需要がおおむね堅調に推移するなか、TOTO製品の値上げ(2019年10月)前の駆け込み需要やエアコンの好調継続などが、大幅増益と売上・利益の超過達成の要因である。消費税増税の駆け込み需要もあったが、9月最終週に起こった程度で影響は小さそうだ。TOTO製品の値上げについては、在庫が足りなくなった他社が多かったことを考えると、在庫を多数確保した戦略が奏功したようだ。さらに第3四半期以降、新型コロナウイルス感染症の影響で中国からの部材が届かず国内の在庫がひっ迫した際にも、強みを発揮し営業を継続することができた。

セグメント別に見ると、管材類は売上高が42,243百万円(前期比1.5%減)となった。住宅分野では消費税増税による駆け込み需要の反動で新築住宅着工とリフォーム向けの需要が減少し、非住宅分野でも設備投資と大型案件などの需要が減少した。また、第3四半期以降の新型コロナウイルス感染症の影響により、在庫の確保と在庫管理の精度向上に努めたものの、住宅設備機器類や空調機器類の商品供給に遅れが生じたことで一部現場の工期が遅延し、管材類の出荷が減少した。

衛生陶器・金具類は売上高が39,955百万円(同5.0%増)となった。上期は消費税増税前の駆け込み需要や新商品効果が見られたことに加え、第3四半期以降に新型コロナウイルス感染症の影響による商品の安定供給が困難となった際にも、強みの在庫・物流機能を活用して商品を供給できたことが要因となった。非住宅分野では、ホテルや保育園といった公共物件の受注に注力した。

住宅設備機器類は売上高が22,627百万円(同4.7%増)となった。給湯機器は、前期並みに推移したことに加え、非住宅物件の需要が堅調に推移したことで、業務用給湯器の需要が好転した。住宅物件では、エコキュートの取替需要が好調に推移した。キッチン設備は、新型コロナウイルス感染症の影響で商品の安定供給に一部困難が生じたものの、在庫機能を生かした商品供給を背景に、リフォーム・取替需要に対応したキャンペーンを実施した。

空調機器・ポンプは売上高が31,251百万円(同8.1%増)となった。空調機器類は、上期は好調に推移したものの、消費税増税により下期に苦戦した結果、全体としては前期並みとなった。住宅用空調機器は、高機能型ルームエアコンの需要が増加したことに加え、特に寒冷地域で暖房用としての需要が増加した。業務用空調機、汎用ポンプ、家庭用ポンプはともに堅調に推移した。換気扇は住宅竣工件数につれて前期を下回ったが、浴室暖房乾燥機が伸長した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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