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なぜ富裕層は貯金が少ないのか? 凡人こそ「成金」から稼ぎ方を盗め=午堂登紀雄

富裕層は、貯蓄額や表面的な年収からは見えてこない

年齢的には20代後半~50代前半といったところで、30代後半~40代後半が最もボリュームゾーンです。これは私の年齢的に、そういう人との交流が多いということでもあります。

対象の職業は主に「起業家・経営者・自営業者」で、事業規模から見て明らかに「年収2,000万円は超えているであろう」人です。

ここで「年収2,000万円なんて大したことないな」という人は、実態が見えていません。

というのも、このくらいになると個人の実効税率は55%と大きな負担となるため、売上は法人名義にして、本人は役員報酬として給与をもらう形のほうが、税効果上キャッシュアウトが少なく済むからです。

ちなみに法人の実効税率は30~33%程度です。なお、その役員報酬も上げれば上げるほど社会保険料負担が大きくなるので、それもあまり嬉しいことではありません。

だから、ほとんどの人は自分の収入自体は減らす傾向となり、統計上は「富裕層とは思えない年収」なのですが、それは見かけだけです。

私自身、自分の年収は低くしていますが、家計全体で払っている保険料が毎月約100万円、借入金の返済が毎月200万円以上、カードの支払いが毎月50~100万円、家計全体の支出は毎月500万円程度ですので、おおよその収入規模が想定できると思います。

富裕層ほど、現金を持っていない?

なお世間では富裕層の定義を「金融資産1億円以上」などと言われますが、友人知人に「いくら持ってるの?」などとは失礼で聞けませんし、仮にアンケートを取っても本当のことを言うとは限らない。

なので事業の様子を見て「明らかにこれぐらいはいってるな」という観察ベースであることはご了承ください。

たとえば「このあいだ5億円の1棟ビルを買ったよ」という話を聞けば、ローンを組むとしても少なくとも2,000万円以上の年収(あるいは年商)があり、1億円程度の余裕資金があるとわかる、といった具合です。

むろん富裕層にもいろいろあり、冒頭の先祖代々からの富裕層もいれば、事業を興してバイアウトし、その資金でベンチャーキャピタルファンドなどを運営しているような富裕層もいます。

実際、私の知り合いにも両方いますが(といっても先祖代々の富裕層はあまりガツガツ事業をやっていないこともあり、最近は交流が途絶えています)、最も多いのが「現役でビジネスをしている富裕層」です。

彼らの意外な特徴としては、「現預金が少ない」ことです。

Next: 「資産を守るだけの超資産家」よりも「成金」と付き合おう

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