合併して市場シェアが60%にもなるのに、なぜ競争を制限しないと言えるのか?
前述の「合併後のコード決済のシェアが60%にもなるものの、競争を制限しないと判断された理由」を見ていきます。
競争を制限しないと判断された理由の1つは「コード決済市場がまだ小さすぎる」からです。
上記表を見ていただくと分かるように、2020年1月時点で、クレジットカードの方がコード決済サービスより約5.7倍も利用割合が大きく、2019年4月と比べたときの成長率は、コード決済が+5.5%、クレジットカード決済が+3.8%と、若干コード決済の方が成長率が高いものの、クレジットカードもほぼ同程度成長しています。
そのため、ヤフーとLINEの小額コード決済の合計シェアが60%とはいえ、現金やキャッシュカードを含めた決済市場全体で捉えると、影響力はまだ限定的との判断がされています。
経営統合の「条件」は?
しかし、コード決済事業の審査をしていく中で、利用店舗との間で他社のサービス利用しないという内容の契約を結んでいたことが分かりました。
この契約については他社との競争を妨げると判断されたため、利用店舗との契約内容を改めるとともに、今後3年間にわたって、市場シェアや手数料などについて年に一度、公正取引委員会に報告するという条件がつきました。