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こう着ながらも底堅い相場展開に

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 27日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開になりそうである。26日の米国市場ではNYダウが83ドル高となり、S&P500指数とナスダック総合指数は共に過去最高値を更新した。全米で新型コロナウイルス感染件数が安定していることやワクチン開発でさらに前進した報道が好感されたほか、27日のパウエル議長の講演で追加緩和が示唆されるとの期待から、引けにかけて上昇幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の23280円。円相場は1ドル105円90銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からやや買い先行の展開になりそうである。ナスダックが連日で最高値を更新している流れもあり、225型のインデックス買いによって指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>などが日経平均をけん引する格好になりそうだ。また、モデルナのワクチンで明るい兆候がみられたと伝わっており、バイオ株への物色も意識されやすいところであろう。

 一方で、米国では27日のパウエルFRB議長講演への期待感が高まっていると考えられ、講演内容を確認したいとする思惑から、積極的にポジションを取りに行く動きは考えづらいところでもある。そのため、ショートに傾いているポジションをニュートラルにする動きは意識されやすいだろうが、積極的にロングポジションを積み上げてくる展開は想定しづらいところではある。

 物色については米国市場の流れからグロース優位になりそうである。ただし、ワクチンで明るい兆候との報道のほか、パウエルFRB議長講演での新たな金融政策が示されるとの思惑から、バリュー株へのポジションを意識されてきやすいだろう。国内では28日に安倍首相の会見が控えているため大きなトレンドは出難いと考えられるが、グロースの利益確定に対して、バリューへのシフトが意識されてくる可能性はありそうだ。

 また、足元で強い値動きが続いている中小型株においては、日経平均がこう着となる中で、個人投資家のほか、短期のヘッジファンド等の資金流入が引き続き活発化しやすいところである。直近IPOなど株価面では相当な過熱感を意識させているが、資金回転は効いていることもあり、値ごろ感からのショートは禁物のように感じられる。
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