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「ハンコやめるってそこから?」婚姻・離婚届の押印廃止に国民総ツッコミのワケ

上川陽子法務大臣が、9日午前に行われた閣議後の会見で、従来までの婚姻届や離婚届にあった押印の欄を無くす方針を明らかにしたと、各メディアが報じている。

市区町村の役所の窓口で行われている婚姻届と離婚届。オンラインによる戸籍の届け出も、制度上ではすでに可能だったが、押印欄があることから、現時点で導入している市区町村はなかったという。今回この押印欄を無くすことで、オンライン化を進めたいというのが思惑のようだ。

9月下旬に河野太郎行政改革担当大臣が、各府省庁に対して行政上の手続きにおけるハンコ使用を原則廃止するように求めたことが契機となり、一気にその機運が高まっている「ハンコ廃止」への動き。

いっぽうで自民党有志による「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」、いわゆるハンコ議連はこれらの動きに対して「拙速で行き過ぎた『脱はんこ』により、押印に対する国民の信頼が揺らいでいる」として、加藤勝信官房長官に対して要請文を8日に提出したばかりだった。

ハンコ廃止でドラマのあのシーンが…

先の各府省庁の行政上の手続きにおけるハンコ廃止の動きに関しては、賛同意見が多くを占めていたネット上。今回の件に関しても「素晴らしいスピード感」「マイナンバーかサインでいいもんね」という肯定的な声も一部ではあったものの、どちらかといえば否定的な意見が多い印象だ。

やはり婚姻届や離婚届は個人情報の最たるものである戸籍に関連する書類だけに、ハンコなしでやり取りするのはどうなのかという思いは、多くの人が抱くところ。また、勝手に籍を入れたり抜いたりされることを不安視する人も結構多い。長年に渡り培ってきたハンコの文化だけに、その信頼性はまだまだ高いということだろうか。

またハンコレスになることで、離婚率が増えるのではという意見も。確かに離婚の話し合いの際に、「相手がなかなか判を押してくれなくて」というのはよく聞く話だが、とはいえ押印の必要が無くなったとしても、勝手に書いた離婚届が認められるようになるわけではないと思われるのだが……。そのあたりのシステム整備も今後の課題になっていきそうである。

ちなみに離婚届に関しては、ハンコが不要になることで今までドラマなどで定番中の定番だったあのシーンもできなくなってしまう、といった心配をする向きも多かった。

そして婚姻届に関しては、「廃止しなくちゃいけないのはそこじゃない」という声が。婚姻届への記入と押印という、夫婦にとっての初めての共同作業、いわば憧れの作業がハンコ廃止とオンライン化によって、すっかり味気なくなるのではという意見は分からなくもない。

ハンコを無くすことが目的になってないか?

このように、婚姻届や離婚届に関するハンコ廃止の動きを受けて、意外にも多く飛び出した反対の声だが、これらを総合するような形であがっているのが、「ハンコを無くすことが目的になってないか?」という声だ。

人生の節目において必ずついて回る婚姻届や離婚届といった書類。これらを書くことに関して、果たして「効率性の向上」や「無駄を省く」といったことは必要なのだろうか。ハンコ廃止の流れが急加速するなか、今回上川法相による発言をきっかけに、より現実に即した議論が今後なされることを期待したいところだ、

Next: それは残っていい方のハンコ文化だろ

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