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「#ワークマン女子」が成功すればプロの職人さんもハッピーに。なぜなのか?

現場作業や工場作業向けの作業服やそれらの関連用品の専門店として知られるワークマンが、横浜・桜木町のショッピングモールに女性客主体の新業態「#ワークマン女子」を出店することを発表した。

オープン日は10月16日で、今後は作業服や作業用品を扱わない一般客向けだけの店舗の名称を「#ワークマン女子」に統一し、10年後にはアウトドア用品100%の「#ワークマン女子」を、400店舗まで増やしたいとのこと。また同様に、作業60%・アウトドア40%の「WORKMAN Plus」を、新規出店と既存の「ワークマン」からの転換も含めて10年後には900店まで増やし、作業80%・アウトドア20%の「ワークマン」も200店舗残すという。

なお、男性客向け製品も扱っていることが認知されるまで、チラシ媒体などには「#ワークマン女子with男子」という店名も使うとのことだ。

「いきなりステーキ」の二の舞を危惧する声も

ワークマンといえば以前までは現場作業などに従事する、いわゆるブルーワーカーのプロ客向けに特化したショップというイメージが強かった。しかし近年では、その扱う商品群の防寒性能や堅牢さなどといった機能性の高さが、既存客以外にも注目されるようになり、2018年からはそれらの層に向けて、カジュアル色を強めた新業態「WORKMAN Plus」を展開していた。

さらにその人気は女性層にも伝播し、アウトドアシーンなどでの装いや日々の普段着などに取り入れる人が増加。SNS上では「ワークマンデビュー」をしたという女性からの投稿も、最近よく見かける。

今回発表された「#ワークマン女子」の出店も、それらの人気を受けたものと推測されるが、そのアグレッシブな展開ぶりに対して、一部では心配する声もあがっている。

まず多いのが、「#ワークマン女子」という店舗名がマンなのか女子なのか、もはや意味不明という感想。そのうえ当面は「#ワークマン女子with男子」という名称も並行して使うということで、確かにさらにカオスな状況に陥るのではという声もあった。さらに男性からは「男は入りにくい店名」という意見のほか、「その店名はLGBTの方が不快に感じるのでは?」といった心配をする向きもいた。

また、10年で400店を目指すという計画に対して、「大丈夫なのか?」という声も多い。

急拡大路線と聞いて、多くの人が思い浮かべていたのが「いきなりステーキ」だ。2013年の1号店オープン以来、急ピッチに出店を進め、一時はニューヨークにも出店するなど海外出店も果たしたが、近年では店舗数も飽和状態に達し、既存店売り上げも減少。今年に入って不採算店を大量に閉店させるなど、業績が悪化し続けている状態だけに、飲食店と衣料品店の違いはあるものの「二の舞にならないか」「歴史から学ばないと」といった危惧する声があがっていた。

ワークマンが抱える「駐車場問題」

そんな「#ワークマン女子」の急拡大路線に対し、心配する声が多くあがるいっぽうで、「意外にうまくいくのでは」といった声もある。

大手のオンワードが約3,000店舗のうち半数近くの店舗を閉めるなど、未曾有の危機に陥っているアパレル業界。ただ、それを逆手に取る形で、モールや百貨店の空き区画に潜り込めるのではという意見だ。

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今回のリリースによると、「#ワークマン女子」は駐車場付きの路面店を標準にしたいとのこと。とはいえ、16日にオープンする1号店はショッピングモールにできるだけに、そういった既存のモールへの出店も今後増えていく可能性もありそうだ。

さらに今回の「#ワークマン女子」の展開は、既存客と切り離す策ではないかという声も。再び今回のリリースに目を戻すと、既存のワークマンはプロ客で繁盛していており売上も他業態に比べて多いものの、最近は一般客が多くなったことで駐車場が常に満杯状態で、機会損失が起きているとのこと。そこで「#ワークマン女子」に一般客を吸収させることで、この“駐車場問題”の解消を期待しているという。

「女性客に媚びすぎ」といった声もあがっていた、今回の「#ワークマン女子」出店。しかしその真の狙いは、現場に向かう職人さんたちが以前のように心置きなく買い物ができる、いわゆる「俺たちのワークマン」の復活にあるようだ。

Next: マンに女子でさらにwith男子とか…

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