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何を隠そうとしているのか? 中立・公正とは思えぬ日本相撲協会報告書=近藤駿介

日馬富士の暴行問題について日本相撲協会が20日に公表した調査結果報告書は、中立性を担保できている報告書とは思えない。いったい何を隠そうとしているのか。(『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。

モンゴル語と日本語を巧みに使い分け?不可解な相撲協会の報告書

日本相撲協会の報告書によると

食事会の終盤、白鵬が貴ノ岩に9月場所中の件に触れ、「だいぶん偉そうだったそうじゃないか。これからは俺たちの時代だと言ったそうじゃないか」とモンゴル語でとがめた。…(中略)…ただいずれもモンゴル語だったこともあり、同席した日本人には内容が理解ができなかった。

出典:「横綱をなめてるのか」 暴行事件詳細、報告書で判明 – 日経電子版(2017年12月20日配信)

乾杯後しばらくして、白鵬が貴ノ岩と照ノ富士に「みんなが見ているから、自分の行動に気を付けなくてはいけない」「おまえたちがこうして相撲を取って生活していけるのも、ここにいる先生方のおかげだ。その恩を忘れずに、社会人としてきちんとした生活をしていきなさい」などと説教。

出典:「横綱をなめてるのか」 暴行事件詳細、報告書で判明 – 日経電子版(2017年12月20日配信)

もめごとのやり取りは同席した日本人が理解できないモンゴル語で行われ、白鵬の横綱としての立派な説教は同席した日本人が理解できる日本語で行われたということなのだろうか。

あるいは、モンゴル語で行われたもめごとの部分はモンゴル人力士たちが口を濁し、モンゴル語で行われた白鵬の横綱らしい発言部分についてはモンゴル人力士たちが雄弁に証言したということなのか。

中立性があるとは到底思えない

どちらにしても、日本相撲協会の危機管理委員会が20日公表した調査結果報告書は中立性を担保できている報告書とは思えない

【関連】相撲協会がひた隠す「白鵬のウソ」と口裏合わせ。貴乃花はいま何を想う?=山岡俊介

客観性、中立性に欠ける可能性の高い調査報告書を中立性の高いものだと見做したうえでの議論を、被害者側の貴乃花親方が拒否するのもある意味当然に思えるが。貴乃花親方を一方的に悪者扱いする風潮には疑問を感じずにはいられない。

サラリーマン人生を全うできずにスピンアウトしてしまった人間の戯言にしか聞こえないかもしれないが…。

image by:Wikimedia Commons

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近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2017年12月21日)より
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