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パナマ文書で世界の富裕層を「脅迫」しはじめたアメリカの苦境=高島康司

不況に突入する米経済

では、なぜ世界の富裕層の資金をアメリカをタックスヘイブン化して集中させなければならないのだろうか?

昨年のFRBによる利上げ以後、世界の投資資金は新興国からアメリカに移動している。それなのになぜ、パナマのような海外のタックスヘイブンを壊滅させてまで、いまの時期にアメリカに資金を集中させる必要があるのだろうか?

その理由は、米政府はこれから米経済が深刻な不況に突入することを予見しており、それに備えるためである可能性が高い。

急激に景気が減速している中国などの新興国にくらべ、米経済は堅調に成長しているとの報道が目立つ。ニューヨークダウは最高値を更新し、GDPの成長率も年率で2%台の後半になる見通しだ。これは先進国としてはかなり高く、0.4%の成長率の日本とは大きく異なっている。

しかし、アメリカの実体経済に目を転じると、状況はこれとは正反対であることが見えてくる。先頃米アトランタ地区連銀は、経済予測モデル「GDPナウ」による第1・四半期の米GDPの伸び率の見通しを発表した。前回見通しの0.4%から大幅に下方修正され、0.1%だった。

さらに同じ時期に発表された2月の卸売在庫高は、前月比0.5%減と、2年9カ月ぶりの大幅なマイナスであった。これにより、米経済が第1・四半期に予想より大きく落ち込んだ可能性があることが示された。

こうした数値が示すように、いま米経済は深刻な不況に突入する可能性が高くなってきている。その理由は、米企業の大幅な債務の増大と利益の減少、そしてそれらが引き起こしているある悪循環の存在だ――


未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ4月15日号では、この続きとして、以下の内容を詳しく解説しています。

米企業の抜け出せない悪循環~実態は自転車操業

株暴落と利上げの先送り~オバマとイエレン異例の協議

「パナマ文書」のリークと富裕層の資金の呼び込み~最悪の事態を回避する

EU諸国の社会不安は好都合~中国・ロシアの台頭に対抗する米国

これは本当にうまく行くのか?~G20と伊勢志摩サミットに注目

「パナマ文書」リークの他の目的~北朝鮮のキム・ジョンウン体制壊滅

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【関連】アメリカ覇権の延命を担う「パナマ文書」の株高・米ドル高効果=高島康司

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2016年4月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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