「株価操作」という日本の病。日銀ETF保有残高が推定17兆円を突破=大前研一

日銀のETF保有残高が推定17兆円を突破しました。現在の日経2万円はまさに官製相場であり、こんなことを続けていて本当に大丈夫なのかという問題があります。(『グローバルマネー・ジャーナル』大前研一)

※本記事は、最新の金融情報・データを大前研一氏をはじめとするプロフェッショナル講師陣の解説とともにお届けする無料メルマガ『グローバルマネー・ジャーナル』2017年6月28日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に定期購読をどうぞ。
※6月25日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

プロフィール:大前研一(おおまえ けんいち)
ビジネス・ブレークスルー大学学長。マサチューセツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社後、本社ディレクター、日本支社長、常務会メンバー、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年に退社。スタンフォード大学院ビジネススクール客員教授(1997~98)。UCLA総長教授(1997~)。現在、ボンド大学客員教授、(株)ビジネス・ブレークスルー代表取締役。

おもしろうてやがて悲しき「中央銀行によるインデックス買い」

【日本】日銀のオペは世界の非常識

日経新聞は24日、「日銀、株買い一辺倒」と題する記事を掲載しました。これは、日銀のETF保有残高が推定17兆円を突破し、上場企業の4社に1社で安定大株主になった計算と紹介しています。しかし、投資活性化で物価上昇につなげる目標の達成は道半ばで、海図なき株買いの出口は見通せないとしています。

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日銀の株買いは、GPIFなどと並び称されるクジラです。午後の何時頃かに日銀出動のタイミングがあり、急に株が上がるわけです。そうしたことで、数社に一社は日銀が株主トップテンに入っている、大株主になっているというところも非常に多いとされ、これはあまり健全なことではないわけです。しかもインデックスで買っていくのです。さらに年間6兆円から7兆円ほど買い、今それが3年目で保有残高が17兆円になっているというのです。

そうなってくると、日本は本当にいくらなのかという疑問が湧いてきます。今、日本の株価は2万円を超えて人々が喜んでいますが、実際の企業価値が上がっているとも思えないので、GPIF日銀でもって積極的に買っていて、それで株が上がっているだけなのです。一方、個人投資家は、この間株を売っているのです。

日銀が保有する株式・投資信託受益証券の推移を見ると、どんどん増えていることがわかります。官製相場と言われますが、本当にこのようなことを続けていて大丈夫なのかという問題があるのです。株が下がってしまい、何かの拍子に国債も大きく落ちてしまうと、日銀は500兆円持っているので、下落によるダメージは非常に大きくなります。

世界中でこんなことをやっている国は他になく、インデックス買いをやっている中央銀行などほとんどジョークです。こういうことは株価操作プライスキーピングオペレーションと言われ、日本の得意技ではありますが、世界的に見ると大丈夫なのかと心配される感じであり、ここに日銀の脆弱性が現れているのです。これが日本の状況なのです。

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