【「海外口座開設が便利で簡単」なワケ】
それは去年(2016年)の春先のこと。ある日、自営業をやっている経営者の方から、「こんなに良い投資案件を見つけました」というお話をいただきました。
案件は「フィリピンのマニラに1000万円でコンドミニアムを買う」というものでしたが、スキームがとても魅力的な内容でした。
それはまず、フィリピンのある銀行で1000万円を預けて5年間の定期預金を組み、その預金金利で不動産投資のローンを支払う、というものでした。その銀行は、1000万円以上を5年定期で預けると、何と利息を年利11.5%もつけてくれると言うのです。
しかし、その話にはいろいろとおかしな点がありました。
現地の一般的な金融商品と比べても高すぎる金利、わざわざ日本人向けにつくられたネットの銀行口座開設申し込みページ、これでもかというほどの優遇キャンペーン…。
私は、相談された方には「その案件には不明瞭な部分が多いため、当マネースクールとしてはその投資はオススメできません」とご返答しました。
さらに調べてみると、当コミュニティ内でこの案件を検討している人が他にも複数名いたため、実態調査を行った後に、こちらの見解をお伝えしておきました。
約半年経過後、その銀行は破綻しました。知らずに投資をしていれば、当コミュニティだけで数千万円の被害が出ていたでしょう。それがフィリピンのイースタンリザール銀行です。
※フィリピンの地域銀行、今年22行目の破綻 預金は99%保護 – マニラ経済新聞
2. 巧妙な詐欺案件に潜むワナとその防止法
現在、日本人の海外銀行口座開設が年々、難しくなっているのは前回メルマガ(Vol.57)でご紹介した通りです。
そうなると、日本人が海外口座を開設するには、基本的には仲介業者を使うか、もしくはコネを頼るしかなくなります。そこに、詐欺師の付け入る隙が生まれるのです。