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資本主義ゲーム必勝法、あるいは「リボ払い」に感謝する貧乏人の罪=鈴木傾城

今どき金融機関を無防備に信用する人間は、漏れなく資本主義の餌食になる。これは借金地獄に嵌まる人だけでなく、地道に貯金をする人にも当てはまる真理だ。どういうことか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

貧乏を嘆く前に、「自分で自分に罰を与えている」ことに気付け

貧困層の「愚かな選択」

例えば、12万円の買い物をして12回払いの分割にすれば月1万円+手数料の支払いとなる。これは常識だ。

次に、別の店で2回目の買い物をしてみよう。そこでも再び12万円の買い物をして、これも分割12回払いにすれば、やはり月1万円+手数料の支払いとなる。しかし、最初の支払いもあるので、合計すると月2万円+手数料となる。

では、さらに別の店で3回目の買い物をしたら?ここでも分割12回払いにすると、月1万円+手数料の支払いだが、ここでは3回目の買い物なので、全部を合計すると月の支払いは3万円+手数料となる。当初の3倍の負担だ。

このように通常の分割払いでは、買い物すればするほど月々の支払いが増えていき生活が圧迫される。

しかし、同じように12万円の買い物を何回も繰り返してカードの限度額すべてを使っても、月々の支払いを1万円+手数料の支払いに固定できるという、一見、夢のようなシステムがある。それが「リボルビング払い」、通称リボ払いと呼ばれるものだ。

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12万円の買い物を3回してすべてを12回払いにしたら、3万円と手数料分を毎月払わないといけないはずなのに、リボ払いを選択すれば1万円と手数料分ですむ。返済は長期化するが、月々の支払いが少なくなる。1万円でも苦しければ、月5000円+手数料の支払いにすることも可能だ。

月々の支払いが少なくなるので、貧困層であればあるほどこれを利用する。中には月々の支払いを少なくしてくれるカード会社に感謝する人もいる。しかし、そこにワナはないのか?

リボ払いを選んだ瞬間に、金融のワナに堕ちている

カード会社等の金融機関は、電話で勧誘したりポイントで釣ったりして、多くの人にリボ払いを勧めている。金融機関がそれを勧めるというのはどういうことか。客のことを考えてくれているのだろうか。まさか……。

金融機関は常に自分が最大限に利益を得る方法を考える。金融機関がそれを勧めるということは、金融機関が一番儲かるということなのだ。金融機関がリボ払いを勧めるのは、約15%もの金利手数料を取ることができるからでしかない。

仮にカードの限度額いっぱい(仮に50万円としよう)をリボ払いで使い切って、月1万円返済にした場合、手数料はだいたい約16万円から28万円までの法外な金額になる。

同じ15%でも負担金額に差が出るのはカード会社によって手数料の上乗せ計算が違うからだが、それにしても法外な金額の手数料であると認識しなければならない。

しかしリボ払いのユーザーは、月々の支払いの安さにかまけて負債の総額を確認しないか見ないふりをする。金融機関も、常に総額を曖昧にして月々の支払いの安さだけを強調する。総額は言わないで、ただ月々の支払いだけ知らせる。

彼らは「50万円の買い物が、総額で70万にも80万にもなる」とは絶対に言わない。総額を意識させないで、月々の支払いの安さだけを意識させて、どんどん高額の金利でカードを使わせるのが金融機関のビジネスである。

リボ払いの場合、何回買い物をしても月々の支払いが同じなので、よりカードを使わせやすく、長期に渡って手数料を延々と支払わせやすい構造になっている。

日々の小さな支払いで目くらましされながら、高額の手数料をいつまでも延々と絞り取られるということだ。

このようなあこぎなビジネスを自分に仕掛けられているのだから、「支払いを軽くしてもらってありがたい」とカード会社に感謝する必要はまったくない。リボ払いを選んだ瞬間に、金融のワナに堕ちているのだ。

当たり前だが、富裕層はリボ払いのようなものはいっさい利用しない。現金一括か、もしくはカードの一括払い、分割があったとしても2回払いまでだ。金融機関に支払う手数料がゼロなのは、一括払いかせいぜい2回払いまでだからだ。

Next: 「金融機関は貧困層を舐めきっている」この現実を人生の大前提にしろ

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