金融機関は貧困層を舐めきっている
皮肉なことだが、貧困層の多くは、日々の支払いを安くしたいと思うがゆえに、高金利によって金融機関に食い物にされる。50万円の買い物をリボ払いで行って、金融機関に20万円も30万円も金利手数料を払っているのだ。
一括払いなら払わなくてもいい手数料を、リボ払いにすることによって毟り取られていく。富裕層が払わない金額を貧困層が払うのだから、生活コストは貧困層の方が重い。
「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」というマタイの法則は、ここでも生きていることに気付かなければならない。貧困層は金利を払うことによって、より貧困化していくのだ。
もちろん、貧困層のすべてがこのワナに落ちるわけではない。たとえば、金融機関で金を借りたら毟り取られると気付いている貧困層の中には、カードをいっさい使わず地道に貯金をする人たちも多い。リボ払いで買い物をしまくる人たちよりはずっと賢明だ。
しかし、彼らもまた現代の資本主義では報われることはない。
金融機関は金を借りたら15%もの暴利を取っていくにも関わらず、普通預金してもたった0.001%程度しか利息を払ってくれないからだ。50万円を預けても年に5円である。
リボ払いで借りたら金利を20万円以上も持っていくのに、預金しても5円しかくれないのが金融機関だ。何ももらえないよりはマシだが、それにしても0.001%の金利は「預金者を馬鹿にしている」と言っても過言ではない。
しかも、リボ払いの金利も預金金利も、どの金融機関もほとんどが横並びだ。はっきり言おう。金融機関は完全に貧困層を舐めきっており、誠実でもなければ清廉でもない。表面は上品に見えるが、本質は強欲で狡猾だ。
こんなところに関わって、15%のような金利で金を借りる人も、0.001%のような金利で預金する人もどうかしている。当然だが、富裕層はリボ払いをしない上に、0.001%のような金利で預金するような愚かなこともしない。