水を輸入に頼る国・シンガポールが中国の脅威に備えて準備していること=三橋貴明

シンガポールは「空気以外は全て輸入」と自虐するほど、生活の多くを輸入に頼っています。中国の台頭はシンガポールの安全保障にも「新しい局面」をもたらしつつあります。(三橋貴明)

記事提供:『三橋貴明の「新」経世済民新聞』2017年2月24日号より
※本記事のタイトル・リード・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

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中国の台頭で「新しい局面」に入ったシンガポールの安全保障問題

「シンガポールの中国人」は中国人ではない

無事に、シンガポールから帰国しました。何度も書いていますが、シンガポールは中華系7割、残りがマレー系とインド系という民族が混在している状況で、マレー連邦から独立した国家です。というより、民族が混在していたため、マレー系国家を建国しつつあったマレー連邦から切り捨てられ、独立せざるを得なかった国家なのです。

シンガポール独立は、50年前の1965年です。半世紀、シンガポールは政府が強権を発動することによる「安全な移民国家(自由ではない)」であり続けました。結果的に、元々の「シンガポールの中国人」は、すっかり「中華系シンガポリアン」に変わっています。つまりは、中国人ではありません

例えば、同じ中国語を話しても、中国人と台湾人の印象はまるで違います。台湾人は、何というか物柔らかそうで、お人好しそうで、柔和さがどちらかと言えば日本人に近いです。

「大丈夫かなあ…。この人たち…」と、お人好し国代表国「日本」の国民であるわたくしも心配になってしまいそうな台湾人経営者に、何度か会いました。実際、中国に進出した台湾の中小企業の経営者が悲惨な目に会っているという話は、廣瀬勝氏との対談などで、繰り返しお話ししてきました。

中華系シンガポリアンについても、台湾人に対するものと同じ印象を受けたのです。中国人に対して覚えた「異星人感」はなく、ウィットに富み、どこかシンガポールに対し自虐的で、それでも祖国に対し誇りを持ち、日本人に対し普通に親近感を持ち、誰もが何とか自分の責任をこなそうとする。

これが、わたくしが会った中華系シンガポリアンに対する印象です。もちろん、ミクロな印象に過ぎませんが、中国人的な「異星人感」は、誰からも感じませんでした

何を言いたいのかと言えば、シンガポールは中華人民共和国ではない、という話です。

Next: シンガポリアンは、日本人よりもはるかに「国防」を意識している

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