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日経平均の理論株価は1万8294円、期待先行による上方かい離が限界に(2/27)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

上昇エネルギーに限界。脱皮のカギは為替とファンダメンタルズ

日経平均、理論株価から通常変動の上側までシフトアップ

日経平均は昨年の前半は中国を始めとした新興国の経済不安、また英国のEU離脱ショックなどで波乱が続きましたが8月半ばからは理論株価に回帰、ファンダメンタルズに沿った安定した局面となりました。

様相が変わったのは米大統領選挙でのトランプ候補の意外な勝利。市場は一時トランプ・ショックを起こしましたがその後は世界的な株価上昇局面に入りました。

こうした世界的な相場上昇の状況下、日経平均は理論株価から通常変動の上側までシフトアップ、その後は通常変動の上側と一体で推移しています。

下のグラフは日経平均が理論株価との連動が明確となった2016年9月1日から直近の2017年2月24日までの日経平均、理論株価と通常変動の上側を示します。

日経平均、理論株価と通常変動の上側の推移(日次終値)
2016.9.1~2017.2.24

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理論株価から通常変動の上側へのシフトは、理論株価からのかい離という意味でファンダメンタルズに基づくものとは言えません。先行きの環境改善に対する期待に引き上げられた相場と言えます。通常変動の上側に達した12月8日から2カ月余り、膠着模様の相場は期待のみではこれ以上の上昇エネルギーには限界があることを物語っているようです。

これから先、相場が更に上昇、日経平均が2万円を目指すには1月末の当講座で述べましたが為替が安定的に推移することを前提に業績の一段の向上が必要となります。

その意味で現在の相場水準は期待に過度におんぶした危うさをかかえていると言えます。業績予想の改善が一服模様となった足元、しばらくは相場は為替と業績の動向に神経質な対応が続くと見られます。

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投資の視点』(2017年2月27日号)より一部抜粋

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