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仮想通貨でも日本は負け組になるのか? 世界とかけ離れた日本の課税=俣野成敏

2. 仮想通貨をめぐる国家の動き

<仮想通貨は、なぜ値上がりしているのか?>

仮想通貨が生まれてきた背景として、世間でよく言われているのが「既得権益から、市民が通貨発行権を取り戻すため」だというものです。

確かに、我々が「(仮想通貨の開発者)サトシ・ナカモトに違いない」と考えている人物は、現在の金融界がほぼアメリカの支配下にあることに対して、疑問を抱いているグループの集会などに参加していた形跡があります。とはいえ、既得権益側でも、今は「生まれた仮想通貨を利用しよう」という動きが出始めています。中国やロシア、イギリスなど、自国の仮想通貨発行に興味を抱いている国はいくつかあります。

実のところ、インターネットが登場し、商用目的での利用がスタートした時点で、いずれ仮想通貨が現れてくるだろうことは予測できました。取引がネット上で行われるようになれば、次に必ず決済の問題が浮上してくるからです。

インターネットは、アメリカを中心とした軍事技術が民間に転用されたものだと言われていますが、その匿名性や自由度の点において、アナーキスト的な側面があるのは事実です。仮想通貨が「ネットの中の通貨」ということになれば、同じ性質を持つことになるのは、ある意味、当然のことでしょう。

ところが、仮想通貨が生まれて10年が経った今、状況は変わりつつあります。仮想通貨が世間に認知され、世の中に広がり始めると、ある者はビットコイン長者となって既得権益化し、ある者は自分が主導権を握ろうとして、別の新しいコインをつくりました。仮想通貨の透明性と公平性は、権力者にとっても同じように便利で有用なものです。

当メルマガでも解説してきましたが、仮想通貨とは通貨の一種です。いわば、ドルや日本円と同じものです。価格が上がったり下がったりしているのは、需要と供給によります。

つまりコインを欲しい人と売りたい人のバランス関係で、欲しい人が多ければ値段が上がり、売りたい人が多ければ値段が下がっているにすぎません。目下、全体的にコインを持っている人が少なく、市場にもあまり出回っていないために、値段が上がり調子なワケです。

おそらく現在、仮想通貨を購入している人の多くが、なぜ仮想通貨が値上がりしているのか、ワケもわからずに購入しているのが実情でしょう。もちろん、今は仮想通貨の黎明期に当たっていますから、この波に乗らない手はありません。

ただ、大事なのは「仮想通貨とは何なのか」を知り、そのメリットデメリットをきちんと理解した上で賢く利用することではないでしょうか。

Next: 投資家にとっての脅威は当面「税金」

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