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また「財政の崖」ですか?アメリカ債務上限問題からのデフォルト観測=櫻井英明

東1売買代金2兆円割れが続く薄商いの株式市場。市場ではアメリカの債務上限問題が材料視されつつありますが、『兜町カタリスト』の櫻井英明さんはあまり気にならない様子。

それよりも注目すべきは「英中の蜜月」それからやはり「国策・郵政上場」のようです。この秋、「ゆうせい」が閑散相場のカンフル剤になる!?

恒例の茶番劇を尻目に「何もしないのが心地よい」薄商い相場

またですか?アメリカ債務上限問題

またですか?というのはアメリカの債務上限のデフォルト観測。国債発行枠の引き上げ問題である。

2013年10月にも一部の政府機関が閉鎖の憂き目にあった。結局2014年2月に債務上限を2015年3月まで引き上げて落着した。しかし今年3月に債務は上限に達し財務省は緊急措置を発動してしのいできた。

そしていよいよ手元資金は枯渇。どう凌ぐのかの局面となってきた。債務上限を上げれば済むという簡単なことができないから困ったもの。売り手の舌舐めずりが見えるような気がする。

というか、また茶番が起こるとすればばかばかしい限りである。

英中の蜜月

そんな凋落のアメリカをしり目に英中が蜜月チックな展開。原発や高速鉄道で中国→英国へ約5兆円を発注の見通し。人民元の国際化をちらつかせる中国。人民元での決済まで視野に入っているという。

人民元の取引センターがロンドンになり、中国がかつてのように英国の意を受けるのだろうか。そうすると基軸通貨ドルが脅かされ、ポンドの地位はあらためて復活するかもしれない。

ユーロの原油決済の方向登場でユーロは凋落した。しかしポンドに拘泥しユーロに不参加の英国の深謀遠慮はココだったのだろうか。

中東は英国の影の濃い場所。原油安が英国の中東への支配権をさらに高める脇役としての中国。大英帝国は眠っていないような印象である。

というかこの図式の解を求める方が、愚かしくFOMC動向を見極めるよりも賢明に思える。半期ごとに登場する為替報告書で「円はいくぶん割安」なんて噛みついている場合ではなかろう。

だから多くのことの震源はNYではなくロンドンなのである。

効率的ではない市場

東証1部の売買代金は連日の2兆円割れ。

日銀金融政策決定会合やFOMCなど市場的には遠くのイベントを待っているという解釈。あるいは中間期業績発表を待ち、今期の2ケタ増益を確認したいとの解釈。

たぶん何もしないのが一番心地よいのだろう。

考えてみれば、市場関係者というのも因果な商売である。日々株価は動くから、何か原因をひねり出さなければならない。例えこじつけでも、それがなければ活字や画像に穴があくという宿命。その捻出された理由をもっともらしく誰もが引用するから、市場解釈は180度違うこともある

そこで右往左往させられてきたのは実務家である投資家さんに他ならない。

実務家でない人の解釈は非実務家の考察に勝るはずなのに、タイトルの立派な人の解釈が横行する。アメリカではツイッターの呟きを元にして25銘柄を選択しETFを組成する動きがあるという。賛否両論あろうが、結構うまくいくような気がしてならない。

興味深かったのは日経朝刊『大機小機』の「根拠なき市場の変動」。

今はチョットした統計数値にさまざまな理屈をつけて株価が乱高下している。金融政策のリアクションについてあれこ理屈をつければどんなパターンも可能になる。70年代は速報値に誤差の多いマネーサプライ動向に市場は敏感に反応した。どのような理屈でもひとたび市場で広く受け入れられればそれが標準となる

これが効率的市場仮説に支配された市場の本質でもある。つまり、決して市場は効率的ではないということの裏返し。もしも市場が本当に効率的ならば株価は一直線に上昇下落しなければならないはずだろう。

Next: 薄商い相場反転のキーワードは国策「ゆうせい」

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