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今年の10大リスク首位は米次期大統領。世界分断に備えぬ日本は衰退一途か=原彰宏

さらに激化する米中対立

民主主義が問われるものとして、中国の台頭があります。

経済的にもコロナ対策にしても、次世代インフラ設備に関しても、中国が大きくリードしているのは、何も決められない民主主義のせいだと、中国側は指摘しています。

民主主義を守るうえで、中国に対する強硬姿勢は崩せない。

リスク4位に「米中対立」が位置していますが、これは毎回ノミネートされているテーマかも知れません。米中関係については2国間の緊張はさらに高まり、バイデン政権発足後も「昨年のような激しい対立」を予想されています。

これは「5. 世界的なデータの規制強化」「6. サイバー紛争の本格化」にも関連することかと思われます。

米中サイバー戦争に関しては、昨年大いに話題となりましたが、実際のインフラ設備普及に関しては、中国が何歩もリードしていて、トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」に舵を切ることで世界のリーダーの座を明け渡したことが、大いに響いています。

気候変動対策でも米中の競争は激化し、電池や電力制御システムといった技術を巡る「クリーン・エネルギーの軍拡競争」になると予想しました。

地球温暖化対策に関しては、これまで最大のCO2排出国であった中国は、発展途上国の立場から地球温暖化対策には消極的な姿勢を貫いてきましたが、最近は、「ゼロエミッション」に積極的に取り組む姿勢を見せ始めてきました。

中国が地球温暖化対策の中心に出ることになれば、情勢は一気に変わってきます。

地球温暖化は経済の問題になっています。俗っぽく言えば「地球温暖化対策は金になる」「地球温暖化対策が新しい産業を生む」「地球温暖化対策縛りが旧勢力を市場から追い出せる」という具合に、もともとの思惑から路線はずれてきています。それでもCO2排出が抑制されれば、地球温暖化阻止の目的には繋がります。

「グリーン政策」も地政学リスクの1つ

そんな中で、グリーン政策に積極的な民主党政権が米国で誕生しました。

ただユーラシア・グループは、このグリーン政策が、純粋な地球温暖化阻止の思惑から経済要素が強まることに対して懸念しているようです。

米国がバイデン政権下で炭素排出の実質ゼロ目標など気候変動のイニシアチブに再び参加しようとしていることで、「より野心的な気候変動対策による企業や投資家のコスト」と各国・地域の計画協調を「過大評価することによるリスク」があると、ユーラシア・グループは指摘しています。

中国や欧州連合(EU)、英国、日本、韓国、カナダも国内・地域経済をより環境に優しいものにすると表明していて、各国揃って、ガソリン車新規販売の停止を、期限を付けて表明しています。

トヨタ包囲網のようで、ハイブリッド車もガソリン車として販売停止対象としました。いつまでも雇用を守るための自動車産業ピラミッドを維持しようとしている今の日本に、果たして地球規模的グリーン化の波に乗り遅れないだろうか非常に心配です。

さらに、リスク2位に位置付けされた「コロナ問題」も、先程まで取り上げた「分断」の火種の1つとなっています。

Next: コロナ問題も「分断」を誘発。世界はもう1つにはなれない

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