資本主義や民主主義の危機
この現象は日本でも見られているのですが、野党は指摘してはいますが、残念ながら大きな論争にまでは発展していないようです。それを日本の国民性と片付けたくはないですがね。
「新自由主義」という言葉を中心に据えて、それを加速させるか是正するかという議論になっているようです。
米大統領選挙を見ていると、強烈なトランプ大統領支持者が連邦議会に乱入し、死者まで出す事態となっています。
「米国の恥」とまで言われているでき事が、まさに「分断」の一端を表しているようで、資本主義の危機と並び、民主主義の崩壊をも彷彿させる象徴的なでき事となっています。
米大統領選挙は勝敗が「五分五分」であったことが、分断の火種となっています。英国の、EU離脱を問う国民投票、いわゆるBrexitも「五分五分」の僅差で決定しました。国民の半分が納得しないまま、EUからの離脱に従わなければならない状況になりだした。場合によっては、今年はどこかでスコットランドが英国連邦から独立するのではとも言われています。
この僅差の決着を、民主主義の「臨界点」と指摘する専門家もいます。多数決でものごとを決める限界なのかも知れません。
ちょうど半分ずつ違う意見のグループがいるわけで、どちらかの半分は、強制的に違う意見に従わなければならないのですからね。
・少数意見意見に耳を傾ける
・多数決結果の少ない方の意見に真摯に向き合う
ことが民主主義の根幹であって「数が正義だ」というのが民主主義ではないはずです。
日本はまさに「数が正義」の論理で、多数決結果の反対側の立場は無視し続けてきました。そのことに怒らない国民性、常に「数が正義」側を支持するという奇妙な現象がもう何年も続いているのです。
日本では「民主主義とは何だ」という議論は起こらないのでしょうが、世界中では「分断」というものが民主主義の本質を問いかけているようで、おそらくユーラシア・グループが示す「リスク」とは、資本主義や民主主義の危機を、ずっと言ってきているように思えます。
アメリカと世界を襲う「分断」リスク
リスク1位の「米国第46代大統領」の解説記事として、日経新聞には下記のように伝えています。
同盟国は、バイデン氏の任期中に成立する国家間の約束事も「アメリカ・ファースト(米国第一主義)を掲げる大統領がまた4年後に撤回してしまう可能性も考える必要がある」と指摘し、トランプ氏の大統領返り咲きの可能性に触れた。
バイデン次期大統領は、年齢から1期で交代すると思われます。4年後は、今のところ、民主党は、初の女性大統領候補となるであろう女性初のカマラ・ハリス次期副大統領を大統領候補とするでしょうし、共和党側は、トランプ大統領再出馬となるかも知れないと言われています。
ただ今回の議会襲撃の首謀者として避難を浴びていることや、今後は数々の訴訟が待ち構えているとも噂されていますので、どうなるかはわかりませんね。
見捨てられた低所得者白人層をガッチリと取り込んでいるトランプ大統領ですから、バイデン次期大統領が、このトランプ支持者層にどう取り組むことができるかがポイントになります。
貧困者層 vs. 支配者層(エリート)
この構図がある限り、分断は避けられないと思います。
そう考えると日本は平和で、どんなに虐げられても政権に牙をむくことはなく、じっと耐え忍び従っているのですからね。皮肉を込めた表現になってしまいました。