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今年の10大リスク首位は米次期大統領。世界分断に備えぬ日本は衰退一途か=原彰宏

コロナが広げる貧富格差

富のギャップに関しては、2位の「長引く新型コロナの影響」が大きく関わってきます。

「K字回復」が、アフターコロナのキーワードです。「K」という文字は、上に向かう線と下に向かう線があります。つまり、コロナに負けずに回復していくものと、そのまま没落していくものにきれいに分かれるということです。

それは「貧富の差」の加速化であり、それに伴う「分断」の鮮明化に繋がります。つまり、グラデーションがなくなります。はっきりと白黒に色分けされる世界が、アフターコロナ社会なのです。

ユーラシア・グループは、2位の新型コロナについては、コロナ禍で二極化した「K字型」の回復が「現職に対する怒りと政情不安を引き起こす」とし、政治的な不安定につながるとも指摘しました。

さらに新型コロナワクチンの配布に関しても格差が、国家間でも各国内でも広がると予想しています。

経済が強いところは何をしても勝てるわけで、経済が外交での優位性を決め、経済が安全や安心を決定づけるということになります。「日本はもはや経済大国ではない」という事実を認識することになるのでしょうね。

世界各国に「分断」の火種はある

リスク7位の「トルコ」は、英語原文では「Cold Tirkey」となっています。ミニ・トランプなどと呼ばれるエルドアン大統領の政策が問われることになるのでしょう。

トルコはヨーロッパとアジアの“つなぎ”の役目を果たす位置にあり、常に世界情勢を語る上ではキーになる国です。かつてのトルコ帝国のDNAもあるのでしょうかね。

ユーラシア・グループによると、トルコは昨年、危機を回避することができましたが、2021年に入っても脆弱(ぜいじゃく)なままになっていると指摘しています。エルドアン大統領は4~6月(第2四半期)に再び圧力に見舞われ、景気拡大を促そうとするかもしれませんが、そうすることで社会的緊張をあおる恐れがあると指摘しています。

リスク8位の「原油安の打撃を受ける中東」に関しては、中東・北アフリカのエネルギー生産国で抗議活動が激化し、改革が遅れる可能性があるとの指摘です。歳入の大半を石油から得るイラクは、基本支出予算の確保や自国通貨安の阻止に苦しむ公算が大きいとされています。

今後の世界情勢を占ううえで、米大統領選挙に並んで大きいのが「欧州の牽引役は誰になるのか」です。

ドイツのメルケル首相は欧州で最も重要なリーダーであり、同首相が去れば欧州のリーダーシップが弱まることから、今年後半のメルケル首相退陣が欧州最大のリスクだとユーラシア・グループは分析しています。

欧州GDPトップはドイツとフランス、マクロン仏大統領には、欧州を率いるには、まだ荷が重すぎるとの評価が強いようです。

レポートの「メルケル首相がいなくなることの影響は計り知れない…」という指摘の通り、欧州の、いや世界の最大のリスクと言えるでしょう。

さらに、10位の中南米の失望については、中南米諸国がパンデミック以前に直面していた政治・社会・経済問題が一段と厳しくなるリスクがあると指摘しています。

アルゼンチンとメキシコでは議会選挙が行われ、エクアドルとペルー、チリは大統領選挙を控えています。ポピュリズムに訴える候補者が増え、特にエクアドルでは同国の国際通貨基金(IMF)プログラムと経済安定を危うくする可能性があると、ユーラシア・グループは見ています。

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