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CAICA Research Memo(7):将来を見据えた「暗号資産ファンド」及び「アートファンド」へも出資

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■主な活動実績

1. ライツ・オファリングによる成長資金の調達
2020年6月18日付けで決議した、全株主を対象とするライツ・オファリングについては、想定を上回る76%の権利行使により約43億円の資金調達を実現した。CAICA<2315>では、資金使途として、1)eワラント証券の増資引き受け資金5億円、2)運転資金(教育、採用、人件費)2億円、3)有利子負債の返済資金3.9億円、4)M&A資金約16.8億円のほか、5)FDAG(現(株)Zaif Holdings)の発行する無担保普通社債の引き受け資金4億円、6)後述するファンドへの出資(合計3億円)等に充当する予定である。

特に、1)のeワラント証券の増資資金5億円については、今後の収益ドライバーとして期待されるCFDに関わる新商品の開発、CFD拡大に伴う預かり資産増加に向けて自己資本増強などに充てるものである。すなわち、同社グループが目指す「IT金融企業への更なる深化」にあたり、第一種金融商品取引業を営むeワラント証券の事業は必要不可欠であり、eワラント証券における新商品の開発及びコロナ禍の影響により低下した自己資本規制比率を維持し、事業の継続発展を目指すことが主な目的となっている。また、5)のFDAG(現(株)Zaif Holdings)の社債引き受け資金4億円についても、第一種金融商品取引業の登録を目指すZaifの増資資金に充当される予定である。これによりZaifが取り扱う商品やサービスが広がり、FDAG(現(株)Zaif Holdings)グループとの一層の連携強化が期待できる。

2. 「暗号資産ファンド」及び「アートファンド」への投資
2020年12月18日には、暗号資産及び暗号資産デリバティブへの投資を行うEWC匿名組合の運営する「暗号資産ファンド」、及び現代アートへの投資を行うEWA匿名組合の運営する「アートファンド」へ出資することを決議した。「暗号資産ファンド」への出資は、国内外の暗号資産、主に有望なDeFi(デファイ)※1案件への投資を迅速に行うことを目的としたものである。また、「アートファンド」については、現代アートへの投資を行うとともに、出口戦略として一般的な相対での売却の他にNFT※2の仕組みを活用した売却も視野に入れており、NFTのシステムには、同社グループが開発するブロックチェーンプラットフォームを利用する予定である。したがって、これらの出資を通じて新たなノウハウを吸収し、「IT金融の更なる深化」を図っていくことに狙いがある。なお、この出資に伴い、EWC匿名組合、EWA匿名組合は同社の連結子会社になるが、現在のところ業績に与える影響は軽微としている。

※1 Decentralized Financeの略称で、金融分野におけるDApps(ブロックチェーンを活用した分散型アプリケーション)である。非中央集権の暗号資産交換所や、デリバティブ、レンディング等のサービスがあり、注目される分野の1つとなっている。
※2 NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。価値の高いアートにNFTを利用することで、新たな価値共有の形態を実現し、また、その価値交換市場を提供することが可能となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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