ミャンマー国軍がアウンサンスーチー氏など与党幹部を拘束し、クーデーターが起きたとの報道が出ています。裏で中国が関与しているとの情報もありますが、隣国タイはなぜ静観しているのでしょうか? 今回はタイに住んでみてわかった、ミャンマーの位置づけについて解説します。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)
タイの「したたか」な隣国政策
ミャンマー発の国際関係のトップニュース、アウンサンスーチー女史など与党幹部が軟禁されたとの報道が注目を集めました。続報によると、軍部が政権を奪取して、事実上のクーデターになっている模様ですね。
ネット解説の中では、裏で中国が関与しているといったものもあります。
一方で、隣国のタイからは重要なコメントは出ていません。
タイの隣国政策は「非常にしたたか」です。
タイは、西にミャンマー、北にラオス、東にカンボジアという風に囲まれているのですが、見事に、どこも弱小国・貧国です。
この周辺3国はいずれも、かつて欧米の植民地になっていました。しかし、タイだけは例外です。
私の印象としては、タイは、歴史の大原則、“周りに弱小国を置き、緩衝地帯にせよ”を忠実に実践してきていると感じています。
タイに住んで感じた「ミャンマーの利用方法」
タイは、ミャンマーの人々を、飲食業や建設業など自国民(タイ人)が就きたがらない職種で働力として使う。これが最も感じていたことですね。
コロナ以前のタイでは、ほぼ完全雇用状態にありました。ですから、レストラン従業員はミャンマー人だらけ、という所が多かったです。
一方で、ミャンマー人のタイでの人権は、かなり劣っていたのが実情。何か警察や入管に目を
つけられたら、逃げるように本国に戻るミャンマー人も多かったものです。
私が知るミャンマー人の飲食店労働者の中には、3か国語・4か国語を操る人が何人もいました。彼らは、4年制大学を卒業したものの母国ではまともな仕事に就けないため、タイに出稼ぎに来ていると言っていました。
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