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職員のミスで水道代600万円。担当者に半額弁償を命じた兵庫県に「ブラック」批判相次ぐ

兵庫県庁にある貯水槽で、排水弁の閉め忘れが原因で約600万円の水道代が余計にかかった問題で、その余計な水道代のうち半分の300万円を担当職員が個人的に支払ったことに関して、ネットでは様々な意見が飛び交う事態となっている。

今回の問題を最初に取り上げたのは、2/6(土) お昼ごろに配信された産経新聞の記事。それによると、排水弁を閉め忘れたため約1か月にわたって水道水が流れ続けていることが、19年11月の初めに神戸市水道局からの連絡で発覚。その1か月前に、委託業者が年1回の点検で貯水槽内の水を抜き、清掃・消毒を実施したものの、終了後に底部の排水弁を閉じるのを忘れ、県側も最終的に見落としていたと報じていた。

この時点では、余計にかかった水道代約600万円が、具体的にどのような形で穴埋めされるかまでは報じられていなかったが、恐らくは税金から補填されるだろうという見方が強く、当時は「業者のミスでは?」「血税での補填は許さない」といった意見が多くあがる事態になっていた。

職員の300万円個人負担に批判的意見が相次ぐ

ところが、同じく産経新聞が2/8(月) 夕方に配信した“続報”では、上記の点検に立ち会った50代職員が、「あと(のチェック)は私が行う」と業者を先に帰していたことが判明。しかしその後、この職員は排水弁を閉め忘れてしまったという。県はこの職員を20年11月に訓告処分とするとともに、余計にかかった水道代の半額にあたる300万円を職員個人に賠償請求。職員は同年内に約300万円を支払ったと報じられている。

余計な水道代約600万円はすべて税金で補填されると思いきや、その半額はまさかの個人負担になったということで、先に報道された際よりもさらに注目される事態となったこの件。ネット上では「個人負担はさすがにかわいそう」といった同情論や、「あまりにブラック」「こういう処分は職員を委縮させる」など、処分は不適切ではないかと指摘する声が多くあがっている。

しかし、その反面で「職員に全額賠償させろ」といった声も一定数見られ、さらにそういった自己責任論に対して、さすがにドン引きといった反応を見せる人も多いなど、両者のやり取りは紛糾。とにかく、今回の「職員が300万円個人負担」という決着の方法に関しては、同情論者はもちろんのこと自己責任論者も到底納得していない模様だ。

なぜ業者を先に帰したのか…深まる謎

先日8日の会見では「職員のミスで損害を与え、県民におわびしたい」と陳謝していた兵庫県の井戸敏三知事。しかしながら職員への処分が下ったのは昨年のことで、さらに大量の水漏れが発覚したのは一昨年とだいぶ前の話で、もしかすると今回の報道がなければ、公表する気がなかったのかもしれない。それだけに、県としては職員への処分と知事の謝罪で幕引きとしたいところだろうが、とはいえ今回の件に関しては腑に落ちない点がまだまだ多い。

そのうちのひとつが、「なぜ職員は業者を先に帰したのか」という点だ。ミスを何よりも恐れるとされる公務員だが、その責任を負ってまで先に業者を帰さないといけなかった特別な理由が何かあったのか、あるいは単なる下請け想いのいい人だったのか。この「先に業者を帰した」ことが、今回の個人弁済という結果に繋がっただけに、その真相に興味を持つ人はかなり多いようだ。

さらに、業者や担当職員への責任が大いに取沙汰されるいっぽうで、県側が「組織としての責任」を取る気がまったくない様子である点にも、不信の視線が集まる。県は今回の件を受けて、点検後の確認の徹底や、月2回水道メーターをチェックするなどの対策をしているというが、それは今後の再発防止のため当然すべきこと。今回の件の関しては職員個人の責任も当然あるものの、チェック機能を整えていなかったという点も同時に責められるべきだろう。にもかかわらず、担当職員のみが身を切る処分になったことに対して「腑に落ちない」という意見は多く、さらには血税での補填という批判をかわすための「生贄」なのでは、との見方も出てきている。

故意や悪意ではないうっかりミスが原因の損失を半額相当とはいえ個人が負担するという、お役所では過去にあまり例のないような今回の件。それだけに、事のさらなる真相を知りたいという声は、今後さらに高まっていきそうだ。

Next: 県庁の“水道”トラブルで謝罪する“井戸”知事

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