3.光熱水費
結論からいえば、コチラも増えています。
日本では、東日本大震災が2011年に起こった後、原発停止などで、電気代が上昇し続けています。
※電気料金の水準(スライド8ページ) 平成27年11月18日 資源エネルギー庁[PDF]
また、同様に資源価格も上昇を続けています。
※50年あまりのガス料金の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新) – ガベージニュース
このように、コスト増加が直撃してきたと見てよいでしょう。売上高に対する管理費(光熱水費と運搬費)を比較してみると、コストが上昇し続けていることが良く分かります。
2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 68290 | 70947 | 74307 | 76222 | 75772 |
光熱水費(a) | 3221 | 3567 | 3942 | 4402 | 4528 |
運搬費(b) | 1195 | 1290 | 1407 | 1496 | 1574 |
管理費(a+b) | 4416 | 4857 | 5349 | 5898 | 6102 |
売上高に対する 光熱水費 |
6.47% | 6.85% | 7.20% | 7.74% | 8.05% |
※金額は全て百万円
これが、2010年から2014年にかけての、売上は伸びているのに利益が減少している理由と言えるでしょう。
売上高に対する光熱水費というのは、2014年を例に上げて、簡単に言えば、100円売上るのに8.05円かかっていたことになります。
2014年の売上に対して、2010年の「100円売上るのに6.47円かかる」という条件を仮定してみると、管理費は、
6102×(6.47/8.05)=4904百万円
で済んでいたと考えられます。
つまり
6102-4904=約1200百万円
なんと、約12億円も儲かっていたことになります。2014年度の純利益が47億円ですので、純利益の25%ものお金を生み出せていたことになるのです。
そう考えると、今の王将の不調は、社長が暗殺されたことや、ニュースなどとは関係なく、実は、単純なコストの増加によるものであったと考えるのが妥当だと考えられます。
光熱水費については、シェールガス、シェールオイルの登場で、上値が抑えられています。
OPECが協調して価格を上げても、サウジアラビアは強調しない姿勢を見せていますので、たかが知れているでしょう。
そう考えれば、王将にとってはポジティブです。円高になれば、当然、石油価格も安くなりますし、日本国民の可処分所得も上昇します。
王将にとっては、円高はポジティブ材料です。最近の円高で得するのではないでしょうか?
売上を1%伸ばしても、その1%の売上を伸ばすために、売上に対して90%の経費を使っているのであれば、実際の利益は、売上の10%しか伸びません。しかし、コストは削減した分がそのまま利益になります。1%コストを削減すれば、その分は、丸々利益です。
これが、私が売上よりもコストを重視する理由の1つです(もちろん売上も大事なんですが)。