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4都府県に「禁酒令」も実効性なしの声多数。路上飲み勢はGWに「BBQバカ」と化し、ご近所トラブル量産か

東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に対し、25日からまたもや発出されることになった緊急事態宣言。その具体的な対策として挙げられている「酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請」が、大いに顰蹙(ひんしゅく)を買っている。

時短どころか休業という、酒類を提供する飲食店にとっては、以前の緊急事態宣言時よりも厳しい内容となっている今回。感染拡大が終息する見通しがまったく立たないなか、従来までの対策ではウイルスを封じ込めないという認識から、外食時の飲酒を完全に断つという方向性になったとされる。

今回の緊急事態宣言の期間は25日から5月11日とされているが、新型コロナ対策分科会の尾身会長は「改善しなければ延長を検討すべき」とコメントしており、宣言の期間が長期化する可能性も。昨年からのコロナ禍で苦境が続く飲食店にとっては、相当な打撃となりそうだ。

社会の分断も呼びかねない「令和の禁酒令」

ネット上では「令和の禁酒令」とも揶揄されている今回の措置は、お酒好きの間でも大きな波紋が広がっており、過去に出された禁酒令を引き合いに「歴史から何も学んでいない」との声が多くあがる。

20世紀の前半に世界各地で出されていた禁酒令だが、もっとも有名なものといえば、当時の禁酒運動の盛り上がりを受けて1920年よりアメリカ国内にて施行された「禁酒法」。飲食店での酒類提供はもとより、アルコールの製造・販売・輸送までも違法となったこの禁酒法だが、実際のところ酒類の消費量は禁酒法以前と比べ10%も増加し、飲酒運転の摘発も増加。さらにニューヨークでは、隠れて酒類を提供する「もぐり酒場」が3万軒以上も誕生したという。

今の状況下でも、時短要請に応じず深夜まで開いている、いわば「もぐり酒場」のような飲食店は数えきれないほどあり、なかには要請に従っているフリをして給付金の申請を行うといった不届きな店も存在する。今回の措置を受けて、これまで時短や休業の要請に応じながら真面目に営業を続けてきた店からは、先のまったく見えない情勢を大いに嘆く声が。いっぽうで客側からも「正直者がバカを見る」今の状況を作った国や自治体への批判、さらにはそんな「正直者」と「ルールを破る人たち」との分断や衝突を危惧する声もあがる。

また、この「飲食店への休業要請」にも絡む施策として、東京都の小池百合子知事は関係各団体に対し、午後8時以降は街灯を除いて店頭などの照明を消すように要請。これにも「まるで戦時下の灯火管制」「都民を蛾扱いか?」との声が噴出するなど、非難の声が殺到している。まさに、お上が締め付けを厳しくするほど、民衆はそれに反発しようとする。まるで禁酒法時代のような状況で、これでウイルスの封じ込めなど上手くいくものか、というのが大方の見方のようだ。

「路上飲み」への締め付けで空前のBBQブームへ

いっぽうで、長らく続く飲食店の時短要請により、最近街中で増えていて問題視されている「路上飲み」。東京都の小池百合子知事は、それへの対策としてコンビニなどに協力を求める考えを示した、と報じられている。

具体的にどのようなことが行われるかは判明していないが、ネット上では「コンビニや酒店での販売中止では?」との推測が浮上。これを契機に酒類の買い占めが始まるのではといった声もあがるなど、不穏な空気が漂っている。

ただ、この路上飲みに関しては、屋外での飲酒の禁止といった法案や条例でも作らない限り、止めることができないのではというのが専らの声だ。現に、秋田県の知事も路上飲みへの対策を聞かれ、「力ずくで排除するくらいやらないとダメ」と、かなり感情的な発言をするも、具体的に誰がどう引っこ抜くかといった話はあがらず、逆に路上飲みへの有効な対策はないことを露呈する格好となった。

しかし、秋田県知事によるこの発言が、いわゆる自粛警察たちによる「路上飲み狩り」にお墨付きを与えたとの見方も。とはいえ、店に嫌がらせの張り紙を一人で貼りに行くのが関の山の彼らが、野外で酒を飲んでいる集団に突っ込んでいけるかと考えると、その可能性はかなり低そうで、そうなると今後も路上飲み勢たちの我が物顔での野外酒宴は続いていきそうな情勢だ。

そのような状況下で、今後迎えるゴールデンウイークに大いに危惧されているのが、この路上飲み勢が長期休暇中に「BBQバカ」にクラスチェンジしてしまうのではという説だ。

有名編集者の箕輪厚介さんも指摘している「空前のBBQ祭り」。ゴールデンウイークといえば、ただでさえ各地のキャンプ場や河原などが大混雑になるほど、BBQが多く行われる時季だが、今年に関しては飲食店で酒がまったく飲めないということで、日頃はアウトドアを億劫がるような層も、「開放的に酒が飲めるならば」と、こぞってBBQをし始めるのではというのだ。

ただ、こんなご時世なだけに、昨今は多くのBBQ場が一時的に閉鎖されている状況。特に緊急事態宣言が出されているような都会に住む人たちは、やる場所に困った挙句に、一軒家なら庭や軒先で、集合住宅ならベランダなどでBBQをおっぱじめる可能性も大いに考えられる。そうなれば、煙・臭い・騒音などを巡って周辺住民と揉めることは必至で、それどころかうっかり失火してご近所に大迷惑といった顛末もあり得ない話ではない。

今年のゴールデンウィークは自宅にこもって大人しく自粛……という方でも、今年はそういったトラブルに巻き込まれる可能性があるということを、よくよく肝に銘じていたほうが良さそうだ。

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