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米中「脱炭素」主導権争いの犠牲になる日本。米国が削減できない分は私たちが背負う=原彰宏

今度は日本が不利に? 各国が排出量MAXの年を基準に削減目標を設定

今回の、菅総理が宣言した「CO2削減46%」目標設定が話題になった気候変動リーダーサミットでは、各国が、CO2排出量がMAXの年を基準年としているところに違和感を感じます。

各国の削減目標は、次の通りです。

米国:2030年までに50~52%(基準年:2005年)
EU:2030年までに55%(基準年:1990年)
英国:2035年までに75%(基準年:1990年)
日本:2030年までに46%(基準年:2013年)

中国だけが2030年までピークアウトさせるとし、GDPあたりで65%以上の削減を目指すとしています。基準年は2005年です。

上記、各国の基準年は、最もCO2排出量が多かった年を、各国が勝手に基準年としているのです。

削減目標パーセント数値は、この基準年と比べてのものとなっています。

空洞化する京都議定書

話を戻しますが、この京都議定書は、第一約束期間である2008年から2012年の取り組みについてのルールで、その後の2005年から2013年以降のルールが合意できない事態となりました。

ぎりぎり2012年にドーハでのCOP16(気候変動枠組条約第16回締約国会議)において、京都議定書の改正案が採択され、2013年から2020年までの8年間を第二約束期間とすることや、二酸化炭素排出量を1990年比18%削減すること、温室効果ガスに三ふっ化窒素(NF3)を追加すること等が決まりました。

ところが、批准国のほとんどが、削減義務を追わない発展途上国であり、ブッシュ政権の米国は京都議定書から脱退し、日本も京都議定書改正案には批准しませんでした。

米国が共和党政権のときは、地球温暖化対策に消極的なのに乗じて日本も追随し、バイデン民主党政権が誕生すれば、日本はいち早くカーボンニュートラルを宣言したのですね。

京都議定書、ドーハでの改正案の流れで2015年12月、フランスのパリで開催されたCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)においては、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、「パリ協定」が採択されました。

この合意により、京都議定書の成立以降ようやく「すべての国による取り組み」が実現しました。

Next: 「脱炭素化」は実現するか?パリ協定に戻ったバイデン政権の狙いは

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