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燃費不正の三菱自動車は割安か?「逆張りバリュー投資」成功の条件=栫井駿介

投資判断のカギを握る海外市場への影響は

今回の燃費水増し問題が企業価値に与える影響は、以下の2点に集約されます。

  • 補償金額を賄う体力
  • 海外市場への影響

補償金額で最も大きくなると考えられるのが、エコカー減税分の埋め合わせです。

実際の燃費が表示よりも少なかったことにより、該当車種のエコカー減税のカテゴリが変わる可能性があり、その差分を三菱自動車が埋め合わせるという報道も出ています。その金額は1台1~2万円とすると、62.5万台で100億円前後でしょう。

直近の純資産は約7,000億円、現預金は約5,000億円あります。一方、借入金は約300億円しかありません。100億円の補償を行うには十分すぎる体力があります。リコール費用を自力で払うことが困難な状況となっているタカタと比べると、経営に対する重大性は大きくありません。
※タカタに関する分析はこちらの記事をご覧ください

もちろん、ブランドイメージの悪化は避けられませんから、国内での販売量は減少するでしょう。それでも、これが国内の問題にとどまるならば、売上高の8割を占める海外事業で十分に生き残れます

したがって、この問題が海外に波及するかどうかが企業価値を見極める上での大きなポイントです。

既に英国法人の三菱モータースUKは「この問題の影響を受けるのは、日本国内で販売された車両のみ」と発表しています。これが事実であれば、海外市場への影響は軽微であると言うことができます。

最終的には詳細な調査待ちということになるでしょうが、私はどちらかというと楽観的に見ています。軽自動車は日本独自の規格ですし、海外では燃費の申告方法も異なるからです。

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