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燃費不正の三菱自動車は割安か?「逆張りバリュー投資」成功の条件=栫井駿介

国内は風前の灯でも、海外で意外な人気の三菱自動車

もはや国内自動車販売への影響は避けられません。三菱自動車と日産自動車は既に該当車種の生産・販売を中止しています。他にも水増しが行われていた車種がある可能性があり、ブランドイメージの毀損は免れないでしょう。

それだけではなく、購入者への補償などの対応も行わなければなりません。

同社は1970年に三菱重工の子会社として設立されました。最盛期には国内第4位の販売台数を誇りましたが、前述のリコール隠し問題により販売台数が激減し、現在では国内年間販売台数11万台、国内シェアは1.4%にまで低下しています。

しかし、会社全体を見ると、年間販売台数は約100万台、売上高は2兆円を超えています。業績を支えているのが海外事業で、売上高に占める割合は国内約2割、海外8割です。海外の中でも中国を含むアジアやヨーロッパ、中東やアフリカでも販売を伸ばしています。

日本ではほとんど利益が出ておらず、アジアやヨーロッパが稼ぎ頭となっています。

(出典:三菱自動車工業株式会社 アニュアルレポート2015)

(出典:三菱自動車工業株式会社 アニュアルレポート2015)

アジアやヨーロッパで人気があるのは、近年人気を博しているSUV(スポーツ用多目的車)を得意としているからです。世界のSUV売上高は2000年から2014年にかけて約3倍に拡大しています。2013年に発売したプラグインハイブリッド電気自動車『アウトランダーPHEV』はヨーロッパを中心に好調な売上となっています。

フィリピンではトヨタに次ぐ知名度を誇ると言います。アジアや中南米などの成長市場に強みを持つことは、会社のこれからの成長に大きく影響してきます。会社の規模は違いますが、日本と北米で売上高の半分以上を占めるトヨタよりも成長性は評価できます。ラリーのイメージが強く、タフさが売りですから、道路事情の悪い新興国では強みを発揮するでしょう。

三菱自動車にとって、国内市場はもはや戦略上重要な市場ではなく、主戦場は海外です。会社の経営計画でも、国内での販売台数は縮小傾向となっています。今回の問題が国内にとどまるならば、海外市場の下支えにより企業価値は十分維持できると考えられるのです。

極論すると、ブランドイメージが完全に劣化した国内市場からは撤退したほうがいいとすら感じます。

Next: 三菱自は買いか?売りか?投資判断のカギを握る海外市場への影響は

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