<判断が分かれた理由その3. 競合の動き>
3つめは、競合の動向です。
米FDAでは、イーライ・リリーが開発中のアルツハイマー型認知症治療薬候補「ドナネマブ」の存在があります。
この治療候補が、「アデュカヌマブ」の競合薬になっていくとの見方が強まっており、報道を受けて、株価が反落する動きが見られます。
この先のエーザイの株価見通し
ここまで述べてきたことからも、この先の見通しが不透明であることは否めない。そのため、株価の値動きが大きい(ボラティリティが高い)状態が続く可能性があります。
本格的に、株価が底堅く推移するには「仮免許」が取れることが確認されてからになりそうです。新薬に関わる株価の値動きは、予想が難しく、値動きが激しい傾向がありますので、無理に上値を追うことは非常に危険です。
現状、各証券会社の株価見通しが分かれていることからも、いったんは、高値からの調整も十分にあり得ますので、そのタイミングを狙うなど、慎重な取引が自分の身を守ることになります。
さらに、エーザイの株価は1万円を超える株価です。投資家は最低投資額が100万円を超えてくるため、手が届きにくい株価となっています。
今後、株式投資単価が引き下げられることがあれば、幅広い層が購入しやすくなり、株価が上昇するきっかけになります。
ちょうど、6月29日にエーザイは「投資単位の引下げに関する考え方および方針等」について開示しています。
投資単位の引下げに関して、「株式投資単位の引下げ」が株式市場の流動性を高め、また、広範な投資家層の参加を促すための有効な施策のひとつであると考えている。
しかし、投資単位の引下げについては、今後の株価や株主数の動向、当社株式の流動性の状況、費用対効果等を総合的に勘案し、実施の要否および実施する場合はその時期について、慎重に検討したいと述べています。
新薬の報道以外にも、このあたりの報道も株価には影響を与えますので、引き続きチェックしておくことが求められます。