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日経平均628円高の2万8569円、材料多く波乱警戒も緩やかな上昇基調に変化なし。日経平均・米ドル/円 週間展望=馬渕治好

きょう12日の日経平均株価終値は前週末比628円高の2万8,569円となった。今週の日経平均と米ドル/円の展望について考えたい。年内の日本株を含む主要国の株価は、世界経済・企業収益の回復に伴う極めて緩やかな株価上昇「基調」にあるが、その「基調」の上下に短期的には株価が大きく振れうると達観することが必要だろう。(『馬渕治好の週次メモ「時の花」』)

※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2021年7月12日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。

今週(2021/7/12~7/16)の日経平均予想:2万8,000~2万9,200円

(先週の予想:2万8,400~2万9,100円、実績値:2万7,419.40~2万8,748.23円)

先週木曜日(7/8)の米国市場から金曜日(7/9)の日本市場にかけては、想定外に主要国の株価が大きく下振れした。

その要因としては、米長期金利が大幅に低下(10年国債利回りは、週初の1.45%近辺から一時1.25%割れ)したため、「この金利低下は、実は米経済が一気に悪化することを示唆しているのではないか」との疑心暗鬼を生じたことが大きかったと考える。

しかし実体経済がそのように短期的に急変することはありえず、週末金曜日(7/9)の米国株価は、そのような株価下振れはなかったかのように平然と上昇し、主要株価3指数とも、史上最高値を更新して引けている。

週初滑り出しの日本株はその米国株価の反発を受けて、上昇して始まった。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

ただし、今週は材料自体は多く(日本の2月本決算企業などの3~5月期の決算発表終盤戦、米国の6月分の消費者物価、生産者物価、鉱工業生産、小売売上高や、ベージュブック、パウエル議長の議会証言、4~6月期の企業決算発表の滑り出し、中国の4~6月期GDP統計を含む経済諸統計、台湾のTSMCの4~6月期の決算発表など)、先週のような投資家心理の振れが生じると、材料の好悪とは全く関係なく、市況が上にも下にも大きく振れる恐れがある(逆に無風で通過する展開もありうる)。

年内の日本株を含む主要国の株価は、世界経済・企業収益の回復に伴う極めて緩やかな株価上昇「基調」にあるが、その「基調」の上下に短期的には株価が大きく振れうると達観することが必要だろう。

今週(2021/7/12~7/16)の米ドル円相場予想: 109.60~110.70 円

(先週の予想:110.70~111.70円、実績値:109.53~111.19円)

先週の外国為替市場では、短期的な世界株価の波乱を受けてリスク回避的な姿勢が強まったためか、週を通じて日本円より上昇した通貨が、1つもなかった。

今週は先週ほど極端な全面円高には振れにくいと見込むが、引き続き主要国の株価等が不安定な推移を続ける恐れは高いと考える。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル円相場は、現状水準の近辺で、方向感のない上下動を見せるものと予想する(米金利動向と米ドル円相場の相関は足元でかなり薄れているが、米金利の動きやパウエル議長の議会証言などが、売買の「ネタ」にされる展開はありうる)。

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