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なぜ貧困層ほどワクチン接種率が低いのか?貧しさがコロナ感染を広げる3つの理由=鈴木傾城

結果的に「貧困層=ワクチン接種率が低い」という図式になった

米疾病対策センター(CDC)によると、2020年12月14日から2021年1月14日にワクチン接種した人の中で、人種が判明している約670万人のデータを解析したところ、少なくとも1回の接種を受けた人のうち

白人:60.4%
黒人:5.4%

で、圧倒的に白人の方が多いことを明らかにしている。

あたかも人種差別があって、「白人優先だ、黒人は打たせない」という差別が起きているかのような凄まじい数字なのだが、別に差別が起きているわけではない。黒人が自発的に打たない選択をしている。

ちなみに、アメリカでは「コロナ感染で、黒人など人種的少数派が死亡する割合が、白人に比べ際だって高い」と米疾病対策センターは述べている。

コロナの感染や重症化を防ぐワクチン接種を黒人が意図的に避けるのだから、そういう結果になっても当然だ。

さらに言えば、黒人の次にワクチン接種を避けている人種が、中南米からきた人たちである。彼らも、黒人と並んでアメリカでは低所得層を構成する人種である。

貧困層の黒人が打たない。
貧困層の中南米人も打たない。

こうした人種問題と経済格差問題が複雑に絡み合って、アメリカのワクチン接種率は必然的に人種と経済格差で分離してしまったのである。

所得が低い州=ワクチン接種が低い
貧困率の高い世帯=ワクチン接種が低い

こうした事態になった原因はまだ深く解析されたわけではないので、いろいろな見方ができると思うのだが、結果的に「貧困層=ワクチン接種が低い」という図式が浮上してきたのは憂慮すべきことである。

もしかしたら、これから大きくクローズアップされる問題になるかもしれない。

「貧困者ほどワクチン接種をしない」という現象

「途上国ほどパンデミックが広がりやすい」というのと、「貧困者ほどコロナに感染しやすい」というのは、以前から言われていることである。

途上国は資金不足がたたってコロナ感染防止のために、政府や行政ができることが限られている。その上、検査試薬も不足しているし、医療従事者も不足しているし、病床も不足しており、いったんパンデミックが起きたら止められない。

そして今、「貧困者ほどワクチン接種をしない」という現象が新たに生まれている。

よく考えてみると、貧困層は優雅にステイホームなどする経済的な余裕などないし、神経質に衛生状態を清潔に保てないことも多いし、濃厚接触を強いられる仕事に就いていることも多い。

きれいな環境の中、リモートワークで終わる仕事は上の人たちの仕事なのである。貧困層であればあるほどコロナ対策を何とかしたいが、何ともできない。

そうであれば貧困者は「コロナはただの風邪」と開き直るしかない。

たとえ、そうではないかもしれないとは思っても、稼ぐために外に出て場合によっては濃厚接触しなければならない仕事をするのだから、「ただの風邪」と自分に言い聞かせなければ不安で仕事に身が入らない。

そして、貧困層はワクチン接種にしても、「接種日を予約して、時間を割いて、接種会場に行く」という時間と手間と暇をかける余裕がなかったりもする。生活に追われていると、稼ぐことで頭がいっぱいになり、ワクチン接種はどうしても後回しか、打たない選択になってしまう。

ステイホームもできず、ワクチン接種も経済的な理由で後回しにしている身であれば「ワクチンは危険だ」という話であればあるほど自分に都合が良い。とすれば、そちらを無意識に選択することもあるだろう。

Next: 貧富格差がそのまま「ワクチン格差」に。日本もそうなるか?

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