中国で無気力な若者「タンピン族」が増加している。中国国営紙がゲーム批判を行ってテンセント株が急落したのも、この生産性の低い若者たちを許さないという意思表示だろう。中国で規制と経済成長の板挟みが起きている。(『新天地の株式投資日記』)
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プロフィール:新天地
祖父の影響で子供の頃から株の売買を行う。株の取引を仕事にすべく証券会社に就職し、歩合ディーラーを経て現在はデイトレーダー。いち早く相場の流れを読み切ることと、空売りが得意技。
中国で無気力の若者「タンピン族」増加
中国には「タンピン族」という言葉がある。
直訳すると「横たわり族」という感じだそうで、前からあった言葉だが、6月に人民日報系の環球時報が報じてから日本でもよく知られるようになった。
環球時報は批判的に報じたわけだが、要するに、大学を出てもそれに見合う高収入な仕事がたくさんあるわけでもない。バブルで住宅価格は上がり、自分たちには買えそうもない。
ならば、汗水垂らして働いて結婚して子どもを産んで……ということは馬鹿馬鹿しく、ただ横になってネットやアニメを見たりゲームをしたりするのがいい、という無気力な若者が増えたというわけ。
これをタンピン族と呼ぶ。
「共産党はタンピン族を許容しない」
しかし、それではまずいのだ。
共産党が正統であるのは、中国が経済成長し、国民がある程度豊かになるという目標を掲げて推進しているから。
タンピン族が流行るということは、ただでさえ「一人っ子政策」の影響で人口が少ない若年労働者数を「減らす」ことになる。
これでは、中国経済の足を引っ張るリスクになりかねない。
6月に環球時報が否定的に取り上げたのも、「共産党はタンピン族を許容しない」という意思表示なのだろう。
中国当局の「規制」が経済の足かせに
今年の4月から、日本アニメを中国国内でネット配信する際の「規制」がとてもキツくなったという。
これは反ポルノの観点から「日本のアニメは中国の倫理基準に適合しにくい」という面もあるんだろうけれど、「アニメが氾濫すれば若者の生産性が落ちる」と本気で考えているからではないだろうか。
笑い話ではなくて。
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