なぜ、ここまで成長できたのか?
こういった米国のindeed事業が非常に好調だということで、意外性を持たれた方も多いのではないかと思います。ここで改めてリクルートの歴史について振り返ってみたいと思います。
リクルートというと1960年に大学新聞広告社として創業しました。これはいわゆる大学新聞に企業から広告を募って、人材募集をして、就職先を掲載しているといった事業から始まったものです。
それがやがては同じ情報誌を扱うということで、今で言う、じゃらん、それから中古車のカーセンサー、それから結婚のゼクシィ、飲食のホットペッパーなど、様々な情報誌を創刊することで勢力を拡大してきました。
さらには2011年から海外人材会社を相次いで買収とあります。実はこれには契機がありまして、リクルートというと結構大きい会社だったのですが、長い間非上場でした。なぜ非上場だったのかというと、リクルート事件というのがありまして、これは国会議員に上場直前の未上場株を渡す、いわゆる賄賂というものを配ったのではないかということが言われていましたから、そういったこともあって、なかなか上場できない会社でした。
そのリクルート事件が起きたのが1988年なんですが、そこから20年以上を経て、ようやくリクルートが上場するという機運が高まってきました。上場するには拡大していかないといけませんから、2011年から海外の人材会社を相次いで買収するということを行いました。
その中の1つとして、2012年には今説明してきたようなアメリカのindeed社を買収します。これで人材検索サービスというものを手に入れました。
これらの買収なんかもありまして、成長戦略を描いた上で2014年に東証1部に上場したというリクルートの歴史があります。
つまり、この会社の特徴としては、実は1つの物に留まっているのではなくて、次から次へと、どんどん新たな事業に手を出して成長をしてきたというところがあります。
そして、このindeedが非常に儲けているというのは、その内の1つが実を結んだ結果と言えるわけです。
もっと言えば、それを可能にしたこの資金力というのは、まさに古くからやっている情報産業に根差したものだという風に考えられます。
情報誌としては非常にシェアが高くて、例えば結婚式場というところになるとやはりゼクシィを買いますよね。
そういった中で利益率を高めて、お金をたっぷり持っている中で、indeedだったり、海外の企業を、それなりの高い金額を払ってでも買うことができたわけです。