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大型成長銘柄「リクルート」はまだ買いか?米国事業は絶好調、和製グレートグロース株の底知れぬ実力=栫井駿介

さらにM&Aの能力が向上

さらには、今やM&Aが日本で指折りの上手い会社になってきたというところがあります。

実は最初から上手くいったわけではありません。2011年頃に結婚事業を海外展開をしようとして失敗しました。

しかし、その時の失敗を糧にグローバルでやるならM&Aを上手くやっていかなければいけないということで、失敗を糧に様々な企業を買収していきました。これが今の成長に繋がっています。

特にそれを発揮したのが、今回のindeedということになってきます。

この成長をどうやって見るのかというと、ひとつ役に立つのが、このアンゾフのマトリクスというものがあります。

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もともと企業が1つの分野で事業を始めるとして、それを軸足に1つは製品軸というのがあります。例えばジュースを作っていたとしたら、次はお菓子を作ってみようかとか、製品の幅を広げていくことで、自分が取り扱える市場を増やしていくということです。

さらには、市場軸というのがあります。これは、例えば、最初は大阪だけで初めていたのだけれども、それを東京に進出するとか、あるいは次は東京から世界へ進出するとか、そういった地理的な拡大というのを目指して行ったりします。

リクルートこの流れにまさに沿っていまして、最初は就職情報から始めたところから、さらには国内の様々な情報というところで、じゃらん、ゼクシィ、ホットペッパー、SUUMOといったものに進出していきます。

そして、今度は国内だけでは留まらないということで、海外の様々な人材派遣会社を買収しました。

これは実はそんなに利益率も良くないですし、正直、私も上手くいっているとは思っていないのですが、ただ海外の人材というところに足を置いたところが大きくて、単に人材派遣をやるのではなくて、そこに培ったデジタル技術なんかも活かして、indeedの買収に至ったわけです。

このindeedを上手く成長させたことによって、リクルートは大きく成長してきました。

もちろんindeedがすべてではなくて、この下にあるような国内事業はまさに“キャッシュカウ”「金のなる木」とも呼べる事業なので、これらのお金を作る力が海外の買収というのを支えているのも、これもまた間違いありません。

お金もあるし、技術もあるし、そして海外での買収が上手くなったということは、今後も同じパターンで成長を遂げる力があるという風に見えるわけです。

これはまさにアメリカのGAFAMがやっていることに他なりません。たとえばFacebookで言うならば、Facebookを軸に、ワッツアップ、インスタグラムとか皆さんが知っているものをかなりの高いお金で買収することによって、自社の安泰というのを築いていきました。

Googleなんかも検索を軸に、そこで得たお金を自動運転とかそういったところの買収したり、YouTubeを買ったというのも大きいです。

そういった買収を続けることによって軸足を置きながら、関連事業を拡大していくということに成功しているわけなんです。

日本の企業はなかなかそういったことが上手くないのですが、リクルート関しては、それをする素地能力があるという風に十分に考えられます。

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