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菅さん退陣だけじゃない株高の理由。「誰が買っているか」から予想される上値余地は?=馬渕治好

<(4)これからの日本株の見通しは、大きく変わるのでしょうか?>

これまでは、今後の日経平均の見通しとして、当面(10月終わり辺りまで)は、政治情勢の不透明感もあって、2万8,000円を超えたり割れたりだろう、しかしその後は、総選挙を経て新政権が決まるし、10月後半から11月前半にかけての4~9月期の決算で、企業業績の好調さが再確認されるだろうから、遅れて上げ足を強め、3万円を超えると見込む、と述べてきました。

また、3万円を超えても、2/16(火)に既に付けた高値(終値で3万467.75円、ザラ場高値で3万714.52円)を今後上回るかどうかは、微妙な情勢だ、との考えを紹介してきました。さらに、3万円を超せない可能性はある、とも述べました。

実際に、先週の日本株の上昇で、今後当面日経平均が推移する水準は、2万8,000円前後から2万9,000円前後へと、1,000円幅程度持ち上がったのだと考えます。しかし(1)~(3)で述べたように、先週の日本株上昇の背景を踏まえると、今週月、火辺りはまだ上振れが持続するかもしれませんが、一気に3万円を超えるとは見込んでいません。2万9,000円を挟んで日経平均が上下するといった、当初見込んでいたよりは高い水準ではあるものの、また持ち合いの色合いが強まる(ただし流れとしては、株価は上方向にある)、と予想しています。

今年末辺りの日経平均の居所ですが、3万円を超えようが2月高値を超えるかどうかは微妙、という見解を、変える必要はない、と判断します。つまり、先行きに生じると見込んでいた株価上昇の一部を、前倒しで既に実現して「しまった」(前倒ししただけで、根本的には余り事態は変わっていない)と考えています。

ただ、当面の持ち合いの居所が2万9,000円前後に切りあがったとすれば、3万円を超えない可能性はかなり低下した、と見込みます。

さてここで、先週の主要な株価指数の騰落率ランキング(現地通貨ベース)を見てみましょう。

騰落率ベスト10は、
日経平均
TOPIX
スリランカ
ロシア
ポルトガル
インド
タイ
韓国
アルゼンチン
ポーランド
でした。前述のように、日本株の上昇が際立ちました。

騰落率ワースト10は、
ブラジル
南アフリカ
メキシコ
スイス
スペイン
ドイツ
パキスタン
ベルギー
ニューヨークダウ工業株
モロッコ
でした。米国株式市場では景気敏感株に売りが嵩み、ニューヨークダウ工業株指数が冴えませんでした。その背景は後で述べます。

先週の外貨の対円相場の騰落率ランキングでは、ベスト10は、
南アランド
チリペソ
ポーランドズロチ
豪ドル
ニュージーランドドル
メキシコペソ
チェココルナ
ハンガリーフォリント
ロシアルーブル
スウェーデンクローナ
でした。先々週に続き、資源国通貨が優勢でした。特に豪ドルについては、後述します。

ワースト10は、
アルゼンチンペソ
アルジェリアディナール
スリランカルピー
米ドル
スイスフラン
タイバーツ
ミャンマーチャット
ベトナムドン
チュニジアディナール
アイスランドクローナ
でした。米ドルが対主要通貨で軟化しています。

さて、このランキングで述べたように、先週米国では景気敏感株に売りが嵩み、また外貨のランキングでは米ドルが弱含んだわけですが、これは先週発表の米国の経済指標で、軟調なものがやや多かったためでしょう。

もちろん、(いつの局面でもそうですが)堅調だった経済指標はあり、それはたとえば9/1(水)に発表されたISM製造業指数(7月の59.5から8月は59.9に小幅上昇)でした。

しかし週末(9/3、金)には、注目度が高い雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数前月比は、前回公表分の7月が94.3万人増から105.3万人増に上方修正されたものの、8月分は23.5万人増と、小幅な増加にとどまりました。

加えて同日発表のISM非製造業指数は、7月の64.1から8月は61.7に低下しました。

為替市場では、ランキングで触れたように、豪ドル相場が堅調に推移しました。前号のメールマガジンでは、市場では先週発表された同国の4~6月のGDP統計や7月の輸出統計についての警戒感が強く、「短期的に豪ドルの対主要通貨相場が下振れする展開がありえます。しかし、同国が主力とする銅鉱石などの輸出については、銅価格が一時よりはピークアウトしたもののまだ高水準にあり、前述のように中国向け輸出も好調なため、その後の豪ドル相場は持ち直すものと考えています」と解説しました。

実際の統計については、9/1(水)に発表された4~6月期のGDP統計では、前期比ベースの実質経済成長率は0.7%と、1~3月期の1.9%(1.8%から上方修正)を大きく下回ったものの、事前予想の0.5%までは低下しなかったため、かえって豪ドル相場は持ち直しました。

また9/2(木)公表の7月の貿易統計では、豪州から中国向けの輸出額は194億豪ドルに達し、史上最高額を更新しました。

このように豪ドル相場は、事前に懸念したような下振れは起こらず、かえって上値を探る展開となりました。

Next: 「上昇基調入り」判断はまだ早い。目先の上伸持続のあとは、一休みか

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