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「岸田内閣を売った」海外勢。総選挙の株高アノマリーは不発、11月から日経平均はどう動く?=山崎和邦

幕を閉じてしまった岸田内閣への期待相場

ただ、岸田内閣への期待は少なくとも選挙まではあり得ると見ていたが、いったんは幕を引いたと見て良いだろう。

9月に3万600円で終わった翌日、本稿は「治に居て乱を忘れず」と述べて「好事魔多し」と述べた。もちろん、それは翌日から3,000円下がることを読んでいたわけではない。好調に行っている時こそ用心が肝要という市場に処する基本動作を呼びかけただけだ。翌日からの大幅下げは、たまたまタイミングが一致したに過ぎない。

10月5日・6日にセリング・クライマックスをいったん終えて、8日(土曜)は4営業日ぶりに2万8,000円の大台を回復して終わった。しかし、売買代金は3.2兆円ぐらいだから、大相場が到来したとは言えない。週末2万8,000円台を回復した日に25日線との乖離率はまだ5%弱あった。

8日間連続安と、その後の大幅高という荒れた日本株を振り返る

8日間連続安とその後の大幅高と荒れた日本株を振り返ると、中国関連と原油高関連が目立つ。日経平均株価は9月27日から8日連続安・12年ぶりという現象を通し、4日(月)~8日(金)までの1週間では、週末比722円安を演じた。そして11日(月)~15日(金)までの1週間で、週末比1,010円高だった。

9月14日の高値3万670円から8日までの下落率の大きい銘柄を見ると、中国関連と原油高関連である。下落率と上昇率の銘柄を見ると下落率は中国関連、上昇率は原油高と経済再開の関連である。ちなみに、これを列挙する。

中国経済で稼ぐ企業の株価の下落が目立った。

商船三井▼26.7%、日本郵船▼25.8%、川崎汽船▼22.7%、TOTO▼21.1%、次に太陽誘電・アドバンテスト、村田製作所と続き、日本製鉄▼18.8%、ダイキンであり、いずれも中国経済で稼ぐ企業の株価の下落が目立った。

次に、原油高と経済再開の恩恵を受ける企業の上昇、東電+19.2%、INPEX+18.7%、出光興産+9.8%、JR東海・日本電気硝子・日野自動車・JR西日本・日揮・三菱自動車というのが上位10社であった。

令和版所得倍増

「令和版所得倍増」に進むための鍵は、財政規律をひとまずは棚上げすることだ。

需給ギャップが一定程度プラスになるまでは、財政赤字を気にせずに財政支出で援助することだ。そして政権は増税を我慢して、積極財政を続けられるかどうかである。

したがって、矢野財務次官の考え方とは基本的に対立することになる。矢野財務次官は財務省の中でも異端児であると思うが、財務省は基本的に財政赤字を嫌う。これは主婦が家計の赤字を嫌うのと同じである。しかし、財政は破綻しないということは30年も前から筆者は言ってきた。筆者はその頃から財政破綻などということは作り話しだと思ってきたし、書いてもきた。

令和版所得倍増を進めるためには財政規律は、まずはいったん、棚上げしておかなければならない。

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