総選挙では事前予想に反して与党が絶対安定多数を確保、株式市場は好感しています。私は岸田政権が思い切った財政出動を行い、かつ増税を封印すればバブル後の最高値更新もありうると考えています。(『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』澤田聖陽)
※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2021年11月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
投資に勝つにはまず第一に情報分析。「投資に勝つ」という視点から日常のニュースをどのように読むべきかを、この記事の著者で、元証券会社社長で現在も投資の現場の最前線にいる澤田聖陽氏が解説します。視聴方法はこちらから。
自民党「絶対安定多数」を確保
10月31日、衆議院議員選挙の投開票が行われました。与党が293議席を獲得し、絶対安定多数を維持しています。
各政党の獲得議席数は以下のとおりです。
自民党:261(▲15議席減)
公明党:32(3議席増)
立憲民主党:96(▲14議席減)
共産党:10(▲2議席)
維新:41(30議席増)
国民民主党:11(3議席増)
れいわ新選組:3(2議席増)
社民党:1(増減ナシ)
無所属:10(1議席減)
総評としては、自民党が議席は減らしたものの、事前に言われていたほどは負けず、公明党と合わせて絶対安定多数(261議席)を大きく超える議席数を獲得しました。野党第1党である立憲民主党は下馬評とは異なり、大きく議席を減らしました。その他では、維新の躍進が目立ちました。
立憲民主党の失策は、共産党と組んだこと
事前の予想では、自民党は単独過半数さえ難しい状況というマスコミ予想が多かったように思います。
実際は15議席減にとどまったわけですが、自民党が健闘したというよりも、野党の敵失に助けられ、消去法での票が自民党に入ったという側面が強いように思います。
野党の最大の敵失は、野党第1党である立憲民主党が共産党と組んだことです。
閣外協力という前提で候補者調整を行って選挙協力を行うということでしたが、最大の過ちは「1+1=2」になると妄信していた点にあると考えます。
特に共産党との連携は、1+1=2になる可能性はほぼ無いのに、妄信してしまいました。
共産党と組むことで、立憲民主党を支持している層の右派や無党派層は、立憲民主党の支持から離れてしまったように思います。
日本では、若年層の投票率が低く、高齢になるほど投票率は上がります。
若年層は共産主義に対する負のイメージは少ないようだが、旧ソ連のイメージもあり、40代以上の層は共産主義に対しての暗い・怖いという思いを強く持っています。
結果として、小選挙区では選挙に強い候補者が一定の議席を獲得したものの、比例では39議席しか獲得できず、72議席を獲得した自民党に大きく水をあけられました。
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