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高須院長秘書ら「リコール署名偽造」で書類送検も、相変わらず続く“責任逃れ合戦”。逃げ足が異様に早かった日本維新の会には「メディアの忖度」疑惑も浮上

大村愛知県知事のリコール運動を巡っての署名偽造事件で、愛知県警が美容外科医である高須克弥氏の女性秘書ら2人を、地方自治法違反(署名偽造)容疑で名古屋地検に書類送検していたことが判明した。

報道によると、2人は署名活動団体の事務局長だった田中孝博被告らと共謀し、昨年10月頃、署名簿に有権者数人分の氏名を書き写し、署名を偽造した疑いが持たれている。偽造行為は、名古屋市内にある高須クリニックグループの事務や経理を担う関連会社「高須ホールディングス(HD)」が所在するビル内で行われたという。

高須院長への事情聴取は一切なし?

「民意の偽造」という行為自体の悪質ぶり、それもアルバイトを動員しての組織的かつ大規模な偽造行為ということで、大問題となったこのリコール不正。その首謀者とみられている田中孝博被告の裁判は着々と進行しており、今月17日には同被告に対しての論告求刑公判が行われる予定だ。

今回書類送検された高須院長の秘書だが、偽造行為の舞台として新たに浮上した高須HDで役員を務めており、一部からは“高須家の使用人”とも呼ばれる、いわば高須院長の側近中の側近。その彼女がもしも署名偽造に関わっていたとすれば、そのことを高須院長が全く知らなかったというのは、普通に考えても不自然。現に、名古屋市内での署名偽造の作業時には、女性秘書から「署名の数が足りない。高須先生は(偽造を)知っている」との発言があったする報道もある。

しかし当の高須院長は、今回の秘書らの書類送検を受けて「私は偽造は承知していなかった。全面的に捜査にも協力するし、必要があれば私自身も喜んで聴取に応じる」とコメント。自らの関与に関しては、依然として否定し続けている。

いっぽうで、上記のコメント内にもある通り、今回の捜査において高須院長に対する事情聴取はまったくなされていない可能性があり、現に現在進行している裁判においても、検察側からは高須氏の調書がまったく提示されていないとのこと。

リコール団体の会長を務め、運動団体に対しても全収入の5分の1にあたる金額を貸し付けあるいは寄付していたという、名実ともにリコール運動のリーダーであった人物に、まったく聴取を行わないというのは、それこそおかしな話で、ネット上からは「なぜ私人に忖度するんだ?」「闇社会」といった声もあがっている状況だ。

騒動をノーダメージで切り抜けた維新

高須院長が自らの不正関与を否定し続けるいっぽうで、リコール運動の立ち上げに大いに関わったとされる河村たかし名古屋市長は、署名偽造疑惑が浮上するやいなや、運動への実質的関与を否定する発言に終始。結局、不正発覚後に実施された名古屋市長選では5度目の当選を果たし、その後は例のメダル噛みつきで、日本中から総スカンを喰らう“自滅”はあったものの、リコール不正を巡る一連の騒動からはまんまと逃げ切りに成功している。

今回の高須院長秘書の書類送検に関しても、河村市長は「報道で知ってびっくりした。とんでもない話ですわ。県警は誰にも遠慮せず、きちんと事実を明らかにしてほしい」と話すなど、もはや他人事のような態度だ。

ただ、そんな河村市長よりも逃げ足が速かったのが、他ならぬ日本維新の会だろう。

リコール不正の首謀者とされ、現在裁判が進んでいる田中被告だが、リコール運動時には日本維新の会の衆議院の愛知5区選挙区支部長を務めており、さらに日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事も「応援します」とコメントするなど、リコール運動に大いに肩入れしていたのは明らか。ところが、リコール不正が発覚するや、日本維新の会代表を務める松井一郎大阪市長は、田中被告に関して「知らんわ、リコールの事務局やってたっていうことすらも」と発言するなど、早々に“トカゲの尻尾切り”を決め込んだのだ。

それでも、当地域での維新に対する悪印象は残るだろうと思いきや、先日の衆院選では田中被告の後釜として出馬した維新候補が、選挙区では敗れたものの比例区で復活当選。維新は今回の選挙で、比例東海ブロックにおける得票数を2倍以上に伸ばすなど、まさにノーダメージでの逃げ切りとなった。ただネット上では、リコール不正発覚時から今回の高須院長秘書の書類送検に至るまで、各メディアがなぜか維新の存在をオミットした報道に終始しているとの見方もあり、それを不審に感じる声が噴出している状況だ。

民主主義の根幹をも揺るがしかねない事件なだけに、その全容が明らかになることを願う声は多い「リコール不正」。ただ、このままではその期待も裏切られてしまう可能性も大いにありえそうである。

Next: 「本丸は河村たかし名古屋市長と、日本維新の会あたり」

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