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日本株は安すぎる。バリュー投資家がひっそりと仕込む「激安」3銘柄とは=栫井駿介

A&D<7745>

3つ目の銘柄として挙げるのがA&D<7745>です。

チャートを見ますと、業績の上方修正によって株価が一度ポンと上がり、また戻ってきたというところです。PERは6.5倍とかなり低いように見えます。

「A&D<7745> 日足(SBI証券提供)」

A&D<7745> 日足(SBI証券提供)

どんな会社かというと、電子計測機器メーカーです。様々なものの重さや、健康に関する計測を行う、要するにとにかく測ってそれをデジタル製品などに反映させていこうという会社です。つまり計測に特化してるのです。

分野は若干ずれるかもしれませんが、キーエンスなどと似ている部分があります。業績を見てみますと、右肩上がりが続いています。

 「A&D<7745> 通期業績推移(SBI証券提供)」


A&D<7745> 通期業績推移(SBI証券提供)

今この計測機器というのが非常に重要視されていて、車の自動運転も路面の状況などを読み取る必要がありますし、遠隔医療にも患者の血圧などを測ってデジタルデータとして遠隔先のお医者さんに届けるといった技術を持っている会社です。

特にコロナもあって遠隔医療などの需要が増えたこともありましたが、今期に関しては、元々製造業に強い会社なのですが、コロナで製造業が一時ストップして売り上げも厳しかったものが今期それが戻ってきてさらに医療の需要も続いていますから、徐々に拍車がかかっているという状況です。

この状況で6.5倍ですから、正直なんでこんなに安いのかなと思うほどです。

向いている方向も遠隔医療だとかEVだとか自動運転だとかそういった成長分野に足を踏み入れているわけです。

さらに言うと、ここが2018年に子会社化した会社にホロンという会社があり、これが半導体検査装置を生産販売する会社なのです。半導体の会社というホットなところも組み込んでいるわけです。そういった意味で非常に有望で割安な銘柄なのではないかと思います。

では、なぜこれほど株価が下がったのかと言うと、実は2022年にこの買収したホロンと経営統合を予定しているのです。

これで株式交換をホロンと行って、ホロンの株主に対してA&Dの株式を割り当てる、その割合が1:3.6、ホロン1株に対してA&D3.6株を割り当てるという交換を行うのです。

その比率がA&Dが安く算定された数字だったので、それに合わせて株価が下がったというところがあります。

ちなみに、このホロンはPER31倍と高くて株価も堅調に推移しているという部分があります。

PERの低い会社が高い会社を買って経営統合した後のバリエーションはどうなるのかというと、こういう時は単純に純利益を合算して時価総額÷純利益をすればPERを出せます。

私の計算では統合後のPERは10倍くらいという数字で、成長性を考えるとそれでも割安感はあると思います。

日本株も捨てたのではない

いま世の中ではアメリカ株ばかり注目されていますが、日本株も捨てたものではありません。

何より私たちは日本に住んでいるので、日本の状況はよく分かるわけです。日本の政策によって急に伸びる会社もありますし、日本の製造技術はものすごく高いものがあり、そういった企業を見極めて投資すればやがては報われることとなります。

業績が向上すれば、アメリカ株・日本株は関係なく報われると考えます。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by: Brasil Creativo / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年12月6日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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