2022年の今はオミクロンの流行やアメリカの金融引き締めと利上げなどの波乱要素が増え、ボラティリティが増し、相場は乱高下しやすい環境にある。こうした状況下でのトレードは、そこで成功するのは恵まれた反射神経と強運が必要になってくる。果たして、生き残れるか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
「勝ち逃げ」すればいいと部外者は思うが、容易ではない
当メルマガで何度も触れているが、2022年の相場環境はあまり良くない。ETF【VTI】も今年はかなり危険なことになるので、相場から脱落する人たちも増えるだろう。

VANGUARD TOTAL STOCK MARKET ETF<VTI> 日足(SBI証券提供)
折しも仮想通貨もビットコインを始めとして全般が下落している。仮想通貨に賭けたトレーダーたちが次々と破綻に見舞われている。
2022年の今はオミクロンの流行やアメリカの金融引き締めと利上げなどの波乱要素が増え、ボラティリティが増し、相場は乱高下しやすい環境にある。こうした状況下でのトレードは、そこで成功するのは恵まれた反射神経と強運が必要になってくる。
短期になればなるほど、相場の動きは極度にランダムになるからだ。
このランダムな動きの中で、トレーダーは「上がるか下がるか」を単純に賭ける。勝った者は、負けた者の利益を総取りする。誰かが儲かれば誰かが損をする。これを「ゼロサムゲーム」と呼ぶ。
このランダムなゼロサムゲームの中で勝ち続けるのは並大抵のことではない。トレーダーの99%は残り1%に資金をかっさらわれていく。1%の養分となる。しかし、この1%の勝者もトレード(取引)を続ける限りは、勝者というポジションを保証されているわけではない。
そうであれば、「勝ち逃げ」すればいいと部外者は簡単に思う。
しかし、それができないのだ。なぜか。100万円を勝てば「トレードでこの100万円を200万円にすることができるかもしれない」と思う。思惑通りに200万円が転がり込めば「次のトレードでこの200万円を400万円にすることができるかもしれない」と思う。
そうやってトレーダーは勝負にのめりこみ、そこから降りられなくなる。
トレーダーは「次は勝てるかもしれない」と考える
トレーダーは負ければ負けたで、やはり勝負から降りられない。部外者は「傷が深くならないうちに降りればいいではないか」と簡単に言う。しかし、そうはならない。
トレーダーは「次は勝てるかもしれない」と考えるからだ。「相場の損は相場で取り返せ」とも言われる。「負けた」という状態で勝負を降りたら、ただの負け犬だ。
しかし、次で勝てば負け犬から脱する。
そのため、いくら負けが続いても、いや負けが続けば続くほど、そこから抜け出せなくなってしまい、最後には資金のすべてを失うか、もしくは莫大な借金を抱えることになる。