fbpx

投資家の悲鳴「良い物件が出ない」は本当だった。コロナ蔓延と物件数の奇妙な関係=姫野秀喜

2021年は「良い物件が出ない」というお客さんたちの怨嗟の声が日々届いていました。データが出そろってきたので、本当はどうだったのかを統計的に“見える化”して解説します。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

【関連】2022年マイホーム購入は吉か凶か?資産価値が下がるエリア、住宅ローン減税“改悪”の影響を不動産投資のプロが解説=姫野秀喜

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

コロナ感染者数と「儲かる物件」に相関関係?

連日、新規感染者数が高止まりしているコロナですが、みなさまは元気にお過ごしですか。私のまわりでも、ちらほらと感染している人が増えていて、他人事ではないなと日々実感しています。

ピークアウトまではもうしばらくかかりそうな気配のコロナですが、2020年および2021年にかけて、コロナの増加傾向と投資用の一棟モノ不動産の関係についてのデータが出そろってきたので、まとめてみました。

まず前提として、新規感染者数は東京都の新型コロナウイルス感染症陽性者数のサイトより、東京都全体の陽性者数の日次データを月次集計したものを用いました。

東京都の陽性者数データは2020年の1月14日からしか記録がなかったため、2020年1月のみ半月分のデータとなります。

また、一棟モノの投資物件の新規登録件数(=物件出現件数)は、弊社にて日々、確認しているレインズ掲載データを基に、「東京23区内」「利回り8%以上」「所有権」「再建築可能」という書類スペック上合格ラインを超えたものの数となります。

あくまで書類スペック上の合格ですので、現地に行ってみると、ボロボロだったり、風呂ナシだったりという、実際には使い物にならない物件も含まれたデータです。

まぁ、新型コロナウイルスの感染者数と儲かる物件数を比較するだけなので、傾向を見ることは可能です。

また、物件の利回りを「8%以上」としたのは、東京23区内で投資用ローンを引いて購入した場合、ちゃんとキャッシュフロー(C/F)がプラスで儲かる最低ラインだからです。

前提を踏まえて、下記の表を見てみてください。

東京23区の一棟物件新規登録数とコロナ新規陽性者数

東京23区の一棟物件新規登録数とコロナ新規陽性者数

表を見ると一目瞭然ですが、2021年の1月及び8月にはコロナ新規陽性者数が増加し、それに反比例する形で物件数が減少していることがわかります。

感覚的にもコロナが増えると、結果として投資物件も減るという関係はありましたが、やはりその感覚はあっていたようです。

またこの表をからは、2020年の10月くらいまでは平均して月に60~70件ほどの新規物件が出ていたのですが、2021年には月に20~30件程度に半減していることもわかります。

コロナで景気の悪かった2020年に輪をかけて、2021年には本当に良い物件が激減していたということが裏付けられるのです。

Next: 2021年は誰も優良物件を買えなかった。今は次のチャンスを待つとき

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー