親が健康でいるうちはまだ先のことと思いがちですが、いずれ介護が必要な時期はやってきます。もし現在、まったく介護費用のことを考えていないとしたら、生活が破綻する可能性もあります。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)
※有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2022年3月14日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。
もし親が要介護になったら
これは私個人の考え方ですが、親が要介護の状態になったとき「家族は介護しない」が原則だと思っています。
むろん要介護の状態にもよりますが、やはり肉体的にも精神的にも疲弊し、時として介護疲れで殺人事件が起こるように、不幸を招く原因になりうるからです。
子育てはだんだんと手がかからなくなるものですが、介護は逆に状態が悪化して大変になる一方で、しかも終わりが見えません。
また、働き盛りの子やその配偶者が在宅で介護をするのは現実的ではないでしょう。自分が一人っ子の場合はなおさらです。
子には子の生活がありますから、それを破綻させかねない負担は避けなければならないというのが私の考えで、それにはプロを活用することです。それに、やはり専門家に任せた方が安心。
なので、専門の介護施設に入ってもらうよう、できる限り親を説得するつもりです。医者や介護士が24時間体制で見てくれるのも、遠く離れて暮らす私には安心だからです。
ただし、やはり本人の意向も大切ですし、住み慣れた場所の方がストレスも少ないのは事実です。慣れない施設に入ってむしろ認知症が進んだというケースもあるそうです。食事も好きなものを選べないという不満が出るかもしれない。
そこでどうしても「自宅にいたい」という場合、訪問型の介護サービスを選び、訪問見守りサービスや人感センサーなどによる安否確認ができる体制を作ろうと思います。
私には2人の姉がいますので、このあたりは話し合ってどういう形態にするか、費用負担なども含めて分担を決める必要がありますが。
もし自分が要介護になったら
逆もしかりで、もし自分が要介護になれば、要介護状態にもよりますが。施設に入るつもりです。もし妻だけが要介護になったら、夫婦そろって施設に入ります。
私自身は引っ越し経験が多く「住み慣れた土地」という感覚があまりないので移動に抵抗がなく、むしろ新しい街に住む方が気分が一新される気がします。
まあ、要介護状態になってそういう価値観を維持できているかはわかりませんが。
それに、自分で食事を作るのは面倒だし、後片付けなども面倒。ならば施設に入って上げ膳据え膳の方がラク。
仮に入浴が自分でできない状態でも、家族にやってもらうのは申し訳ないとか恥ずかしいという気持ちが先に立つので気を遣う。それをプロが仕事としてやってくれるなら精神的にもラクというものです。
というのはほぼ妄想に過ぎず、自分が認知症になったらどういう感情を持つことになるのか想像もできませんが、現時点では「お金で解決する」を前提にしています。
そこで介護とお金について考察してみます。その一歩は「介護保険」から。